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思慮深い人とはどういう意味?
「思慮深い」は長所
「思慮深い人ってどんな人?」と聞かれて、即答するのはなかなか難しいものです。「思慮深い」というのは、慎重でよく考えて物事を判断したり、行動に移したりすることです。思い付きやそのときの感情で動く人を思慮深い人とはいいません。
何か問題が発生すれば、どうしてそのようになったのか原因を考え、これから何かをしようというときには、行動に移す前にメリットやデメリット、リスクなどを注意深く観察して考えます。
物事は表面だけを見て判断するのは危険なので、じっくりと検討してから判断することが望ましいものです。そのため、「思慮深い人」は褒め言葉であり、ときとして敬意をこめられた意味になります。似た言葉に、「考え深い」、「分別がある」、「洞察力が優れた」などがあります。
なるほどたしかに、褒め言葉ですね。なお、対義語として、「思慮が浅い」という言葉があります。これは文字通り考えが浅いという意味で、軽率であることをいいます。
思慮深い人ってどんな人?性格の特徴
先のことをよく考えて判断する
思慮深い人は、その時の感情のままに物事を判断せず、先のことまで考えてから決断します。今だけ良ければよい、というのではなく、先々もより良い方向に行けるようにすることを忘れません。
たとえば買い物に行って気に入ったものがあっても、即決して買うことはしません。本当にそれを買うことは必要なのか、買ったら本当に使うのか、買ってすぐに飽きてしまったりしないか、などを考えてから買うべきかどうかを判断します。
このように思慮深い人は、あらゆることで先のことまで考えながら行動しています。起こり得るリスクなどもシミュレーションしてから行動するので、大きな失敗をすることもめったにありません。
・思慮深い人は、その時の感情のままに物事を判断せず、先のことまで考えてから決断します。
回答が遅い
同窓会のお知らせが来たときを例に考えてみます。あなたは何を見て行くか行かないかを決めますか?決断が早い人なら、その日に別の予定が入っていなければ、すぐに参加の返事をするでしょう。
また、予定が空いていても、幹事と仲が悪かったり、好きではない人が来るという理由ですぐに断るかもしれません。逆に、仲のよかった友達が参加するという理由で、他の予定をキャンセルしてでも参加の返事をするかもしれません。
しかし思慮深い人はそのような決断は、自分自身の好き嫌いだけで決めるのではなく、他の状況もあわせて、よく考えてから決めます。あまり同窓会には乗り気ではなくても、幹事が取引先の会社に勤めているとわかれば、少々の無理をしてでも参加します。
なぜなら、顔つなぎをしておくことで先々自分にも会社にもメリットがあるかもしれないからです。このように、思慮深い人は自分の感情だけでは行動しません。相手の申し出の意図はなんなのか、そうすることで物事がどう変わるのか、じっくりと考えてから結果を出します。
物事を抽象的にとらえる
「抽象的」というのは、物事を細かく細分化するのではなく、大きなカテゴリで考えることです。たとえば、人気の高いペットの柴犬は、抽象的にとらえると、「犬」です。この犬をさらに抽象的にとらえると、「哺乳類」になります。
物事を抽象的にとらえるということは、小さな物事だけにとらわれず、より視野を広く持つということです。これはひとつのたとえですが、友達と旅行に行くときに、誰かが遅刻したとします。乗車する予定だった電車は行ってしまいました。多くの人はここで遅刻して来た人を責めるかもしれません。
しかし思慮深い人は、その遅刻という一点だけを見ることはしません。自宅を出てから駅に到着するまでに何か事故があったのではないか、あるいは、家族に急病人が出て病院に行っていたのではないか、あるいは、連日の深夜残業で体力を消耗しているのではないか、などと考えます。
遅刻そのものではなく、もっと範囲を広げて考えることができるのです。このような思慮深さがあると、無駄に人を責めることをしなくてすみますし、場合によっては問題解決に導くこともできます。思慮深い人は視野が広いのです。
思慮深い人ってどんな人?職場での特徴
思慮深い人はデキる人!
仕事というのは自分一人で進めるものではありません。上司がいて同僚がいて、後輩や部下がいます。そしてさらに、取引先もいるので、チームワークが大切になります。多くの人との連係プレーになるので、言われたことだけをしていても良い結果は出せません。
もっと良い方法はないかと日々模索し続けることが必要です。もっと良い方法を模索するということは、自分一人が頑張っていても改善はできません。上司にどのように提案して許可をもらうか、どのように同僚に協力してもらうか、取引先はどのようなことを望んでいるのか、などを調査し、シミュレーションが必要です。
これは短絡的な考え方をする人にはできないことです。たとえ急ぎの仕事がなくても、頭の中ではさまざまなことを考えて、どうしたらどのような結果になるかを想定しながら計画します。こうして思慮深く仕事を進める人はリスクも最小限に抑えられます。したがって、思慮深い人は仕事でもデキる人という評価になります。
リスク管理ができる
さきほどお話しましたが、思慮深い人はリスク管理も上手です。簡単に物事を決めるのではなく、あらゆるリスクを考慮に入れて計画を立てるので、万が一何か問題が発生しても、解決法も用意しておくことができます。このようなリスク管理は思慮深い人にはぴったりの仕事です。
視野が狭い人が気が付かないような盲点も、熟慮して対応策を練ることができるので、冷静な判断力を生かすことができます。
自問自答する
短絡的な人は何か問題が発生してからようやく考え始めますが、思慮深い人は問題が発生する前はもちろん、問題が発生して解決したあとも、絶えず自問自答を繰り返しています。問題が発生する前に自問自答することはリスクの回避に役立ち、問題が発生してから自問自答することは、同じ過ちを繰り返さないために役に立ちます。
また、「なぜこれをするのか」「なぜこのプロセスが必要なのか」と考えることで、物事の本質を見極められるようになります。上司から言われたことだけをして過ごしても同じ一日ですが、思慮深い人はただ言われたことだけをするのではなく、自問自答を繰り返して自己改善につなげています。
思慮深い人ってどんな人?行動面の特徴
思い付きで動かない
思慮深い人は思い付きで行動しません。また、感情に左右されることもありません。これが思慮深い人の最大の特徴といってもいいでしょう。たとえ自分のミスが発覚しても、動揺して感情のままに奔走することはしません。
何が問題だったのか、何をどうしたら解決できるのか、周囲の人はどのような協力をしてくれるのか、しっかりと事前に計画を立ててから行動に移します。
そしてこのような計画は、途中経過のみならず、最後はどのような結果になるかまでしっかりと考えられています。反射的に行動しても、メリットはありません。思慮深い人は知性的で計画性があるのです。
行動するときは早い
思慮深い人はすぐに行動に移さない、というお話をしてきました。思慮深い人は何事もしっかりとシミュレーションしてから行動に移すので、この段階では迅速とはいえませんが、いざ行動するとなると、すべて計画済みなので、そこから先は非常に迅速です。
言い換えると、計画性もなくむやみに動き回ることは危険なのです。しっかりと熟慮し、熟慮したからこそ、迅速な動きをとることができます。また、大切なことはつねにメモをしておきます。
まめにメモをとっておくことで、情報が必要になったときにも引き出すことが簡単にできます。このように思慮深い人はあらゆることに対応できるように、準備万端にしておきます。
不測の事態にも冷静に対処できる
予想外のことが起こると、人は動揺してパニックになることもあります。しかし思慮深い人は思いがけないトラブルが起こっても、決して慌てることなく、落ち着いて事態を把握しようとします。まず何が起こっているのか、周囲の状況も含めて把握します。
この事態を把握しないで行動することは、かえって悪い結果を重ねることにもなりかねないので、思慮深い人はこれを踏まえて、状況把握します。
そして事前にしっかりと準備ができているので、自信をもって行動することができ、パニックにならずにすみます。思慮深い人が冷静でいられるのは、事前に準備をしっかりとして、自分に自信があるからです。
思慮深い人ってどんな人?人間関係の特徴
約束は必ず守る
仕事であれプライベートであれ、人との約束というのは、非常に大切なものです。一度でも約束を破ってしまうと信用を失ってしまうからです。思慮深い人は約束を破るとどうなるか、どれほど信用を失うのかをよくわかっているので、決してできない約束はしません。
仕事の約束はもちろん、友達と待ち合わせをするときでも、公共交通機関の遅延や天気の変動など、あらゆるトラブルを想定しておくので、約束の時間に遅刻することもありません。自分の信用を失うようなことは極力避けて、最初から守れる約束しかしないのです。
空気を読むのが上手い!
社会人として賢い人というのは、その場にふさわしい言動ができる人のことです。空気を読めずに失言を繰り返すような人は、いくら勉強ができても賢い人とはいえません。そして思慮深い人は、この空気を読むということが非常に上手です。
どうすればその場の雰囲気に沿った発言ができるのか、どのような発言がこの場にふさわしいのかをよく心得ています。なぜなら思慮深い人は、人をよく観察して、その場で自分がどうしたら周囲が盛り上がり、どうしたら喜ばれるのかを理解しているからです。
ここでは自分の「したいこと」よりも、周囲からの「してほしいこと」が優先します。相手によって発言の内容が変わることもありますが、こうすることで、周囲からも好感を持たれ、自分の利益につながります。
語彙が広い
人にはそれぞれ、口癖のようなものがあります。ためしにあなたの周囲の人の口癖を思い出してみてください。相槌を打つときのパターンって、人それぞれにある程度決まってませんか?頻出するフレーズもその人それぞれに特徴がありますよね。
しかし思慮深い人は、一度にいくつもの思考を巡らせているので、そのようなワンパターンな会話にはなりません。話す相手に合わせた会話をするので、ワンパターンにはならないのです。豊富な語彙を駆使して相手に合わせた会話ができる思慮深い人は、仕事ができる人です。
まとめ
一見とっつきにくく見える思慮深い人は、絶えず周囲を分析しているので、頭の中はいつもフル回転しています。愛想がないように見えますが、語彙が豊富なので、どんな人とも上手く合わせることができます。
また、感情のままに行動することがなく、いつも準備を怠らないので失敗もありません。もしあなたの周りにこんな人がいたら、社会人としてあるべき姿を見習うことができるかもしれません。
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