インドの性書、カーマスートラとは？ミトゥナ像、体位、意味について

インドの性書、カーマスートラとは？その意味とは？

カーマスートラとは、古代インドの愛の性書

カーマスートラとは、古代インド紀元前4～5世紀にかけて作成されたヒンドゥー教の経典の一つです。古代インドでは、人生における目的に「ダルマ」（法）「アルタ」（利）「カーマ」（愛）の３つがあります。「カーマスートラ」とは、その中の「愛」について書かれた経典です。

ただ、「愛」とは何か？と言われても、「子供に対する愛」「家族愛」など様々な種類がありますよね。カーマスートラは、この中でも特に男女の愛とは、SEXとは、そして幸せになるためには？という点について、詳しく書かれています。詳しくはこちらの記事も参考にして下さいね。（英語の記事になります）

The Kama Sutra of Vatsyayana

性書としてだけではない！カーマスートラの意味

カーマスートラの愛の内容が、主に「男女の愛」ということを書きました。なお、「男女の愛」といっても、カーマスートラは特に「女性がどう男性の愛を得るか」という女性の立ち居振る舞い、心構えについての記載が多く、現代女性においても、参考にしたい箇所が多々あります。

カーマスートラは、導入部から始まり、7部構成となっています。導入部は、まずは、古代インドの人生における目的である「ダルマ」などについての解説です。以下に、カーマスートラの構成について述べてみます。

カーマスートラの構成

• １イントロダクション・・・ダルマ、アルタ、カーマについて、64の大切な技能についてなど
• ２性の技法について・・・キス、体位、爪と手による愛撫など
• ３妻を得るために・・・ただし、一夫多妻制なので、新しい妻の得方なども
• ４妻について・・・男女の性質の違い、女性に対する態度
• ５妻と他の人々について・・・結婚、婚姻の形とは、義父母との付き合い方
• ６娼婦について・・・高級娼婦になるためのハウツー
• ７他の人を虜にする・・・他の人に優しくするなどの心構え

特に第２部の「性の技法について」が注目されがちなカーマスートラですが、全体を読むと、「如何に魅力的な女性になるか」「人生の幸せ」という、古代インドの自己啓発書な側面があります。

古代インドは、一夫多妻制、男尊女卑な社会でした。その中で、如何に男性の「一番愛される女性」になるか、性技も含め、心構え、立ち居振る舞いなどのそのノウハウがカーマスートラなのです。男性の心理は、現代においても余り変わらないと言われておりますので、このテクニックは、現代でも使うことができます。

インドの性書、カーマスートラのミトゥナ像とは？

ミトゥナ像の体位

カーマスートラで有名な部分は、第２部の「性の技法について」です。そして、カーマスートラのその「性の技法や体位」を具現化しているのが、このミトゥナ（男女交合）像です。

ただ、ミトゥナ像とは、エロティックなものではなく、男性エネルギー（陽）、女性エネルギー（陰）が結合した究極の聖なる像なのです。その体位は、人体内に存在するという生命エネルギー、クンダリーニを開発し、各チャクラを目覚めさせ、神人合一する目的があります。

絶対的な存在への進化の象徴、ミトゥナ像

また、神と交わいを行っている女性のミトゥナ像は、その女性自身が女神像ということもありますが、強烈なクンダリーニエネルギーをもつ神と交わることにより、自分も人間とした高みに上るという目的から作られたものです。

古代より、このような性エネルギーを活用して、絶対的な存在となる、また、その存在になったことにより欲望をなくすため、望みをかなえるといった手法は多々ありました。下記にそれらを挙げてみました。もし、ご興味があればご参照ください。

ミトゥナにおける性エネルギーを利用した流派など

• 真言立川流
• タントラ密教
• 房中術
• 性魔術

ミトゥナ像といえば、インドのカジュラホ寺院群

ミトゥナ像で有名なのは、10世紀頃建てられたインドのカジュラホ寺院群です。ヒンドゥー教、ジャイナ教の寺院群ですが、この中はミトゥナ像であふれています。世界遺産としても指定されており、多くの観光客を集めています。ご興味があれば、是非行ってみてください。

カーマスートラ第２部の「性技」について

カーマスートラ直伝のテクニックとは？

カーマスートラの第２部の「性技について」は、カーマスートラ直伝のSEXテクニックの数々です。ただ、そのテクニックの前に、自分の性器がどのタイプかを知る必要があります。次にあげてみましたので、ご参考ください。

カーマスートラの男性器、女性器について

まずは、男性器、女性器の大きさについて述べられています。男性器ですが、大きさで３種類にわけられています。女性器も同様で大きさで３種類に分けられています。これを組み合わせると、9種類の性交方法があります。

カーマスートラの男性器の大きさ

• 大きいサイズ・馬
• 中サイズ・牛
• 小さいサイズ・兎

カーマスートラの女性器の大きさ

• 大きいサイズ・牝象
• 中サイズ・牝馬
• 小さいサイズ・牝鹿

次に、情欲も強い、中、弱いと３種類あり、全部で９種類の組み合わせ、男性の持続時間も長い、中くらい、速いの３種類と分類されています。

SEXにおける女性と男性の満足度についての違い

カーマスートラでは、男性と女性のSEXについての「満足」の違いについても肉体的、心理面から違いを述べられています。男性が、SEXを通して肉体的に満足を得ると心も満足しますが、女性はそうではなく、SEXにおいてその持続時間が長ければ長いほど心からも満足を得られるとしています。

女性を満足させるために、男性は、自分の満足よりも、女性を優先させる必要があります。ここから重要となってくるのが、カーマスートラにおける「体位」「愛撫」「キス」などの各テクニックです。

カーマスートラお勧めの体位とは？

カーマスートラの体位について

さて、カーマスートラで述べられているSEXのテクニックには、キスなど様々なものがありますが、ここはやはり「体位」について述べてみたいと思います。先ほど、男性器、女性器にはそれぞれ大きさがあると述べましたが、性器の大きさによって適した体位があります。

しかも、カーマスートラで述べれている体位の数は、64手とも言われています。これが大陸から日本に伝わり、あの有名な「48手」になったとも言われています。次に、女性側から見た、相手を満足させる体位を書いてみます。

「牝象」におすすめ体位とは？

牝象と言われる大きめの女性器を持つあなたの場合、お相手の男性器が大きい「馬」の場合はそうではないのですが、その他の場合、どうしても男性側の肉体的満足が得にくい状態となります。それを解消するのが、股間を狭めて、女性器が縮むような体位をとることです。

お勧め体位（四十八手）

• しがらみ（女性が両足を閉じて強く抱き合う）
• 締め小股（しがらみに似ているが、女性が足をクロスされて男性器を締め付ける）

牝馬にお勧めの体位とは？

女性器サイズが中間の「牝馬」の女性にとって大切なことは、相手の大きさに合わせて、体位を変化させることです。基本は、相手が大きいときは、股間を広げて女性器の中を広げるようにする、相手が小さい場合は締め付けるようにするということで、お相手の大きさに合わせて、体位を自由自在に変化させちゃいましょう。

お勧めの体位（四十八手）

• 相手が大きい場合、小さい場合にて工夫をする

牝鹿におすすめの体位とは？

女性器が小さめの牝鹿タイプの人は、男性器が同じ小さめの「兎」の場合はよいのですが、どうしても、男性器が大きいパターンが多くなります。そのような時は、股間を広げるような形にするとSEX中の痛みも少なく、また、自分も満足しやすくなりますよ！

牝鹿お勧めの体位（四十八手）

• 月見茶臼（騎乗位で、女性が大きく股を広げた状態でドッキングする）
• たすきがけ（正常位で、女性が大きく股を広げた状態で、男性の肉体に足を絡める）

以上、大きさ別の体位を述べてみました。カーマスートラでは、自分のサイズを的確に理解し、的確な体位をとることにより、お互いが満足するような方法を述べています。自分だけが満足するのではなく、相手の満足度も高いことがポイントとなります。

カーマスートラでの性技や心構えとは？

カーマスートラでお勧めはやはりスキンシップ！

まず、カーマスートラで重要視しているのは、相手とのスキンシップです。SEX前の段階から、スキンシップ、肌のふれあいによるコミュニケーションを重要にしています。女性にとっては、相手に抱かれるだけでも落ち着く場合がありますよね。こうやってお互いの満足を得ることにも焦点を当てています。

カーマスートラのキス

カーマスートラでは、スキンシップのほか、キスについても述べています。これは、唇だけではなく、もちろん全身のキスです。また、SEX中だけではなく、SEX前の段階、処女に対して行うキスの方法などについても詳しく説明をしています。

噛む、引っ掻く、たたく・・・などのテクニック

他にも、カーマスートラには、SEX中、相手の肉体を噛むなどして甘える、SEX中の爪傷の立て方などについても述べ有れています。これは、SEXにおいて盛り上がった際に本能的に行うものとされています。

また、これに応じて詰めのお手入れ、歯のお手入れなども推奨されております。SEXにおいて、その場限りのテクニックだけではなく、普段からの行いや身づくろいなどが重要であるということがよく理解できます。

言葉も大事な要素

また、外見やスキンシップだけではなく、会話も重要とされるのがカーマスートラです。この場合、「如何に相手の立場を考えて、思いやりを見せる言葉をとるか」など、SEXのテクニックだけではなく、その前後の会話なども、指南されています。

カーマスートラで述べている本当の大切なこととは？

カーマスートラで述べている大切なこと

インドの性書、カーマスートラの特に第２部について述べてきました。ただ、カーマスートラで重要視をしているのは、第２部のSEX面についてだけではありません。男女の愛を通して、自分が美しく、魅力的になり、人生の幸せをつかむことを重要視しています。

カーマスートラにおいて、性技は、「愛を得るため」一技にすぎません。大切なのは、やはり、外見、身だしなみを整えるなどの努力と何よりも、相手に対する思いやり、心構えなのです。カーマスートラの性技の根底に流れる本来の意味は「お互いの思いやりと満足」なのです。

カーマスートラを活かして幸せな人生を送ろう！

カーマスートラとは、本当はSEXだけではなく、大いなる愛の書、それを通して自分を魅力的にし、幸せを得るための性書であるということが、おわかりいただけたでしょうか。SEXのテクニックだけではなく、貴女の幸せも約束してくれるカーマスートラ。学んで損はありません。

今回は、主に第２部について述べましたが、全体を読むことにより、カーマスートラの本当に目指した意味が見えてくると思います。カーマスートラとは？と聞かれたら、「人が幸せになるための愛の性書」との回答を得ることができるでしょう。

ぜひ、今回のコラムを参考に、人が幸せになるための意味が沢山含まれた古代インドの愛の性書、カーマスートラを、生活の中に取り入れてみて下さいね！