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今更聞けない浴衣と着物の10の違い!見た目から着方までサクッと解説!

更新:2020.04.27

夏のお祭りや花火大会などに出かける機会に浴衣を着たことがある方も多いでしょう。ですが着物と浴衣の違いをご存知ですか?今回は、知っているようで意外と知らない浴衣と着物の違いについて解説します。ポイントを絞ってまとめていますので、ぜひ参考にしてくださいね!

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似て非なる着物と浴衣!その違いの見分け方は?

着物は「和服」の総称

古い町並みを浴衣姿で歩く人々

着物とは字のごとく「着るもの」ですが、明治維新の時代に西洋から「洋服」が日本に入ってきたことから、洋服と分ける意味で用い、日本伝統の民族衣装、つまり「和服」のことを指します。

女性の着物には、振袖や訪問着、付下げ、留袖、小紋などいくつもの種類があり、着る方の年代、しきたり、着用場面などで区別されます。

浴衣は夏に着る着物の一種である

赤い傘をさす浴衣姿の女性

浴衣は、夏に着る薄地の着物を指します。文字からわかるようにお風呂上りの肌着感覚の着物です。浴衣は着物の一種であり、基本的な構造や作り方は同じです。しかし、訪問着などと呼ばれる一般的な着物とはいくつか違いがあり、浴衣と着物は別のものとして言葉を使い分けています。

街で見かける女性の浴衣は、昔は白地や紺地が主流でしたが、最近は鮮やかな色柄が多く、着付け方も小物の使い方も同じように見えます。見た目だけでは浴衣か夏の着物かわかりづらくなりました。しかし、歴史的にも、しきたりとしても、理にかなった違いがあるのです。

夏の花火大会や夕涼みに着る浴衣を、なぜあらたまったお席や格式のある場所に出かける際には着ないのか、浴衣と着物の違いがわかると、それぞれの良さを改めて再認識でき、自信を持って着物や浴衣を着ることができるようになるでしょう。

着用場面|浴衣と着物の違い2つ!

違い①普段着か冠婚葬祭か

はかま姿の女性

着物は、冠婚葬祭や卒業式、成人式などの特別な場面で着られることが多く、着物の種類によっては観劇やお食事会など街着として着ていかれます。いっぽう浴衣は、もともと夏のお風呂上りや夕涼みに肌着感覚や寝間着としてくつろぐときのものでした。現代では夏の花火大会やお祭りのときにおしゃれ着として着ます。


昔からの慣習もあり、浴衣はどこかへ出かけるとしても、夏祭りや近くを歩くときに着るものという位置づけです。フォーマルな場面にも着ていけるのが着物で、寝間着にもできるカジュアルなのが浴衣なのです。浴衣は、どんなに高級であろうと小物で飾ろうとも、冠婚葬祭などのフォーマルな場にはふさわしくありません。

違い②年間着られるか季節が限られるか

白い傘をさす浴衣姿の女性

着物は生地や仕立て方によって年間を通じて着られるものですが、浴衣を着られる期間は6月から9月の夏の時期に限定されます。蒸し暑い夏に涼しく、多少ラフにも着ることができるのが浴衣です。

ただし、現代では例外として、国際交流の場、海外旅行でのドレスアップなどの際に夏でなくとも浴衣が着られることが多くなっています。その理由として、浴衣は、着物に比べて着付け方が楽なこと、使用する小物が少なくて済むこと、価格面でも着物より安いのに見た目が着物と変わらないという点があります。

昨今の日本人気や和食ブームもあり、海外の方の着物への認知度も上がりました。外国の女性の中にも着物を着てみたいという方が増えています。日本女性の着物姿の美しさを気軽にアピールできる点でも浴衣は人気です。

作り方|浴衣と着物の違い1つ!

裏地をつける作り方をするかしないか

洋服の場合、裏地のない薄手のジャケットは夏用、裏地のついたジャケットは夏以外の季節に着用します。着物も同様に、寒い時期に着るために裏地をつけて作るか、夏の暑い時期に着るために裏地をつけないで作るかの2通りの作り方があり、着物の作り方の違いで季節に応じて着分けます。

表の生地とは別の生地の裏地をつけて2枚の布を重ねて縫い合わせる作り方を「袷(あわせ)仕立て」といい、裏地をつけず表の生地一枚を縫い合わせる作り方を「単衣(ひとえ)仕立て」といいます。

着物にはこの2つの作り方があります。秋から春にかけて着用される着物は「袷仕立て」で、厚みがあり暖かいのが特徴です。5月~9月の夏の時期に着る着物は「単衣仕立て」で仕立てられます。軽くて涼しいのが特徴です。浴衣は夏の時期しか着ませんので、裏地のない「単衣仕立て」しかありません。

見た目|浴衣と着物の違い2つ!


違い①生地の種類

着物と浴衣の違いがわかりやすいのが生地や素材です。着物は絹やウール、麻、木綿、ポリエステルなどいくつもの種類の生地が使われるのに対して、浴衣は基本的に木綿で作られています。

着物の生地には大島紬や結城紬に代表されるようなさまざまな織物や、友禅染めとか辻が花染め、絞り染めといったいろいろな染め方があり、同じ素材でも生地の作り方が多種多様です。生地の見た目や手触りで違いがよくわかります。

夏に着る浴衣は、汗を吸収しやすく速乾性のある素材を使い、肌着のような着心地の良さが特徴です。近年は木綿だけでなく、綿と麻との混合生地や手軽に洗えるポリエステル製のものも販売されています。

違い②刺繍や箔をつかっているか

着物は、作り方の手が込んでいて高価なものや、日本各地の伝統技巧で作られた希少価値のもの、高度な技術や高価な素材を使った豪華なものが多くあります。わかりやすいのが着物の表地に刺繍や箔をつかっているかで、見た目でもすぐにわかります。

また、真夏の6月下旬~8月の暑い時期の単衣には絽(ろ)、紗(しゃ)といった、薄く透け感のある、見た目にも着ていても涼しい、より通気性の高い素材も用いられます。夏の着物であっても、織り、染めの高度な技術、刺繍を加えるなど、格式の高い場所にもふさわしいよう豪華さも表現しているのが着物です。

着付け方|浴衣と着物の違い3つ!

違い①肌着のうえに長襦袢を着るか着ないか

着物を着るときには中に半襦袢や長襦袢を着ないといけません。まず肌着(肌襦袢とも言う)を着け、次に長襦袢または半襦袢を着ますが、紐などの小物を多く使い、着付け方も難しいものです。そして着物という順番で着ます。長襦袢の重ね襟が着物の襟合わせから見えるため、見た目に大きな違いがあります。


浴衣はもともと湯上がりに着るものですので、寝間着として着るのであれば肌着を着けずにそのまま着ても良いのですが、現代は外に出かけるときに着るため、肌着を着てその上から浴衣を着ます。長襦袢は不要です。

肌着は汗を吸い取る役目をしてくれますのでガーゼ素材などが適しています。最近では、浴衣の下にTシャツのような肌着を着る若い女性も増えています。

違い②帯の種類と結び方

着物の帯は、着物の格式や着用場面、着物の種類や素材にもよりますが、袋帯、名古屋帯を結びます。そして帯締め、帯揚げという小物で締めます。格式張らない場所へのお出かけなどでは、見た目のカジュアル感を出すために半幅帯を使うこともあります。

帯の結び方にも細かいしきたりや慣習があり、着物の種類によって、振袖の帯のときの結び方、留袖の帯のときの結び方、または若い女性の帯の結び方と年配女性の帯の結び方など、細かな決まりごとがあります。

浴衣の場合は、袋帯などより幅が細く長さも短い半幅帯や兵児帯で結び方をいろいろとアレンジして結びます。女性の年代や未婚既婚による違いなどの決まりごとはありません。浴衣と着物で帯が違うのは、浴衣に着物の帯を使うと厚みが出て暑苦しい印象を与えてしまうためです。

違い③足袋を履くか履かないか

浴衣を着る際には素足が一般的です。着物を着る際には必ず足袋を履きます。ですので、裾の長さにも少し違いをつけることが大切です。着物の裾は足袋を履いているので床すれすれに合わせますが、浴衣の場合は足袋を履かないので、裾がくるぶしあたりになるように着物よりも短めにします。

足袋は白色だけでなくカラフルな色柄やワンポイント入りの足袋など、さまざまなものがあります。冠婚葬祭などあらたまった場所には白足袋が基本ですが、カジュアルに着物を着るときには色柄のある足袋でおしゃれを楽しむことができます。

使う小物|浴衣と着物の違い2つ!

違い①帯揚げと帯締めを使うか

着物の場合は、帯の上に帯揚げを巻き、帯の中央を帯締めで締めるのが正式です。帯留をアクセントとして付ける場合もあります。浴衣の帯には帯揚げや帯締めは必要ありません。ただ最近ではおしゃれのために、浴衣にも帯締めや帯留などの小物を加えることもありますが、帯揚げは使いません。

街中で見かける浴衣姿の女性が増えるにつれ、小物使いや着付け方がだんだん着物のときと同じようになってきています。さらにアクセサリーも多くつけるようになりました。ですが、浴衣の場合はあくまでも個人のおしゃれや着こなしのアレンジのためで、基本は使わなくて良いものです。

着物を着るときに使う小物と浴衣のときに使う小物の違いはわかりましたか?しかしいつもアクセサリーでおしゃれを楽しんでいる女性にとって、和装のときにも洋服のときに使っているアクセサリーをつけたいと思う方も多いでしょう。そこで関連記事では着物に合うピアスを紹介していますので、参考にしてみてくださいね。

違い②履物

着物に合わせるのは草履です。草履にも、着物の種類によってかかとの高さや草履の材質を分けるなどの決まりがあります。浴衣には下駄を履きます。浴衣にサンダルを合わせている若い女性もよくみかけますし、比較的自由です。

ここでは、浴衣にサンダルを合わせたいという方のために、この夏おすすめの浴衣とサンダルのかわいいコーディネートを紹介した記事をご紹介します。

浴衣と着物の違いを知って着てみよう!

近年は、浴衣だからこの着付け方じゃないとダメとか、着物はこう着るべき、といった古い固定観念は薄れてきました。浴衣に足袋を履いたり長襦袢を着るなど、着物と浴衣の着付け方や小物の使い方の垣根はだんだんなくなっており、見た目に違いはわかりづらいですが、逆に自由に着方を楽しめるようになりました。

日本女性なら浴衣や着物を着る機会をもっと増やしたいものです。日本の民族衣装である着物、そして夏の風物詩にとても合う浴衣、夏祭りや花火大会だけではなく、もっとおしゃれ着として日常に着てみませんか。

大切なのは、着用場面、作り方、見た目、着付け方、使う小物など、浴衣と着物の違いをきちんと理解したうえで、自分流に小物を加えたり着付け方をアレンジして着こなすことです。浴衣と着物の違いを知って積極的に着ていきましょう。

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