Large thumb jeahn laffitte wywtmu3 n m unsplash

魚やイカ・タコに痛覚はある?骨折や神経締めに関する研究について紹介

更新:2020.10.29

昔から「魚は痛みを感じない」という説が提唱されてきましたが、この説が覆っているのをご存知ですか?実は痛覚に対する研究が進み、魚類にも痛覚があると言われているのです。そこで今回は、魚やイカ・タコの痛覚の研究や、魚の骨折などについてご紹介します。

※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。



魚やイカ・タコが痛みを感じないと言われている理由は?

魚やイカ・タコが痛みを感じないとされる理由①表情を変えないから

痛み

魚やイカ・タコが痛みを感じないとされる理由1つ目は、表情を変えないからです。人間や他の哺乳類のように痛覚がある動物は、痛みを感じると表情を歪めます。しかし魚は、包丁などで捌かれているときでも表情を変えません。ですので魚は痛覚がないとされてきました。

魚やイカ・タコが痛みを感じないとされる理由②針がかかっても暴れるから

針

魚やイカ・タコが痛みを感じないとされる理由2つ目は、針がかかっても暴れるからです。魚を釣る時、釣り針にエサをつけて針を飲み込ませて釣り上げますよね。もし人間が針を飲み込んだ場合、痛みでまともに動くことができません。しかし魚は針を飲み込んでも全力で動きます。

魚にもし痛覚があるのなら、針を飲み込んだ時点で生命の危機を感じて動きを極力控えるはずです。しかし釣り針を飲み込んだ魚は、針が刺さっている向きに泳いで逃げようとするのです。もっと痛みを感じるであろう方向に自分から向かうなんて、痛覚のある人間からは考えられません。

このように、「針がかかっても抵抗し、針の刺さっている向きに向かって泳ぐ」ため、痛覚があるならこのようなことはできないだろうと考えられてきました。これが、魚には痛覚がないとされる大きな理由の一つです。

魚やイカ・タコが痛みを感じないとされる理由③魚の神経が未発達だから

神経回路

魚やイカ・タコが痛みを感じないとされる理由3つ目は、魚の神経が未発達だからです。人間や哺乳類などは、脳の部分に大脳皮質という神経器官を持ちます。これは大脳を構成している器官です。痛覚を持つ動物は、細胞が刺激されると痛みの情報が感覚神経から大脳へ送られ「痛い」と感じます。

つまり痛覚は大脳によって管理されているのです。しかし魚には、この大脳を形成する大脳皮質が存在しません。大脳皮質が存在しないということは、痛みを感じる神経が未発達であると言えるのです。以上の「痛覚を司る大脳の神経器官が未発達である」ということから、「魚には痛覚がない」と結論付けられてきました。

魚やイカ・タコに痛覚があると証明する研究は?


魚やイカ・タコに痛覚があるとする研究①ニジマス研究

研究

魚やイカ・タコに痛覚があるとする研究1つ目は、ニジマス研究です。これは、エディンバラ大学の中の研究所で行われた、ニジマスの痛覚を確かめるための研究です。まず、ニジマスの頭部分に印をつけます。マークしたところへ科学的刺激、熱刺激などを与え、ニジマスの神経活動を観察するという内容の研究です。

この研究から、「ニジマスの頭部には痛覚があると思われるポイントが最低でも58箇所はある」という結果が発表されました。更に、それらのポイントの22箇所は、刺激を感知できる「傷害受容器」であることも発表されました。この傷害受容器とは、人間の痛覚を司る器官の一部です。

傷害受容器が魚にあると言うことは、人間の痛覚と同じような痛み感知が魚でも行われているという仮説が立証されたことになります。この研究によって、「魚にも痛覚があること」と「魚も人間と同じ分類の痛みを感じていること」という仮説が信憑性を高める結果となりました。

魚やイカ・タコに痛覚があるとする研究②ポリモーダル受容器発見研究

研究

魚やイカ・タコに痛覚があるとする研究2つ目は、ポリモーダル受容器発見研究です。これも魚の痛覚についての研究です。この研究では、魚にポリモーダル受容器が存在すると発見されました。ポリモーダル受容器とは、哺乳類や昆虫、鳥類などが持っている神経器官の一つです。

この器官では、細胞や神経が壊されたり刺激を与えられたりした際、衝撃を脳に伝えるための器官です。物理的な刺激、科学的な刺激をすべて神経信号に変え、刺激を痛みとして脳に送る重要な器官です。

傷害受容器官の中でも、刺激を電気信号に変換するポリモーダル受容器が発見されたことにより、「魚にも痛覚がある」という理論が更に支持されるようになっていきました。

魚やイカ・タコに痛覚があるとする研究③モルヒネ研究

研究

魚やイカ・タコに痛覚があるとする研究3つ目は、モルヒネ研究です。魚に苦痛を与えるとされる酢酸を唇に投入すると、魚は唇を水槽にこすりつけたり注意が散漫になったりしました。しかしこれは、「魚が酢酸に対して反応しているだけ」とみなされ、「魚が痛みを感じている」という証明にはなりませんでした。


そこで使われたのがモルヒネです。モルヒネとは、痛みを鎮静される効果があります。この研究では、魚の唇に酢酸を投入すると同時にモルヒネを注入しました。すると、唇を水槽に当てたり注意が散漫になるなどの行動は見られませんでした。

つまり、酢酸を注入された魚にモルヒネが効いたということになります。ここから、「モルヒネが効くということから、魚が痛みを感じていたことがわかる」という結論が出されました。魚は酢酸によって痛みを感じており、痛みから奇妙な行動を行っていたとわかったのです。

魚の骨折に関する研究や定説!

魚の骨折に関する研究や定説①骨折をすると生命力が弱る

研究

魚の骨折に関する研究や定説1つ目は、骨折をすると生命力が弱ることです。魚の骨折はそうそう起こらないとされていますが、まれに外からの刺激や自らの筋力によって骨折してしまう場合があります。骨折した魚は生命力が非常に弱り、エサを食べなくなったり動きが鈍くなったりします。

このような変化から、「魚は骨折すると痛みを感じるため、泳ぐ力や食欲が落ちる」という説が提唱されてきました。しかし現代の研究では、頭部部分以外に傷害受容器は見つかっていないため、「骨折で魚が痛みを感じている」とは立証されていません。

魚の骨折に関する研究や定説②骨折しても生き続ける魚もいる

たい焼き

魚の骨折に関する研究や定説2つ目は、骨折しても生き続ける魚もいることです。これは鯛によく見られる現象です。鯛は激しい激流などで泳ぐことで、疲労骨折をする場合があります。しかし彼らはそのまま自然治癒するまで泳ぎ続けます。

何度も骨折を繰り返し、そのたびに治癒を行うことで、鯛の骨は太くなっていきます。これを「鳴門骨」と呼びます。この鳴門骨が存在しているということから、鯛は骨折しても痛みを感じることなく生き続けられるという説が唱えられています。

魚の骨折に関する研究や定説③骨折をしても痛みは感じないというのが通説

研究する女性

魚の骨折に関する研究や定説3つ目は、骨折をしても痛みは感じないというのが通説ということです。魚が背骨などを骨折しても、その付近には痛みを感じる傷害受容器は発見されていません。骨折で食欲が落ちたり動きが鈍くなるのは、骨の変形で泳ぎにくくなったり食事を摂取しにくくなるからだというのが通説です。

またこちらに、骨折する夢を見たときの夢占いについての記事を載せておきます。もし足などを骨折する夢や、誰かを骨折させてしまう夢などを見た時は、こちらの記事を参考に占いを行ってみてください。

魚の神経締めに関する研究や定説!

神経締めの意義:魚の死後硬直を遅らせる

海

神経締めの意義は、魚の死後硬直を遅らせるためです。神経締めは、魚の神経に針金などを通して「脳死状態」を作り出すことです。神経を締めることによって、脳が出す「自分は死んでいる」という信号を体に行き渡りにくくします。そうすると、体は死んでしまったことに気づかないため、死後硬直が遅くなるのです。

死後硬直を遅らせることによって、時間が経っても新鮮で身の引き締まった魚を食べることができます。残酷だと言われることの多い神経締めですが、刺身などを提供するお店ではよく行われている手法です。

魚の神経締めに関する研究や定説①神経締めをすることで魚の苦痛を和らげる

苦痛を感じる女性

魚の神経締めに関する研究や定説1つ目は、神経締めをすることで魚の苦痛を和らげることです。一見残酷に見える神経締めですが、これを行うことで魚の苦痛を和らげることができると言われています。神経締めを行わずに魚を放置した場合、魚は酸素不足で長い時間苦痛を感じてしまいます。

しかし神経締めを行えば、魚は一瞬で脳死状態になります。窒息死よりも魚が苦痛を感じる時間は少なくて済みます。ですので、魚にとっても食べる人間にとっても神経締めは効果的だと言われています。

魚の神経締めに関する研究や定説②神経締めでは苦痛を感じない

研究所

魚の神経締めに関する研究や定説2つ目は、神経締めでは苦痛を感じないことです。魚の神経締めする際、魚が暴れたり動いたりします。これは痛みを感じているからではなく神経反射であるというのが定説です。つまり、神経締めでは魚は痛みを感じていないと考えられています。

魚に痛覚があると断定された場合どのようなことが起こるのか?

魚に痛覚があると断定された場合起こること①スポーツフィッシングの禁止

魚に痛覚があると断定された場合起こること1つ目は、スポーツフィッシングの禁止です。スポーツフィッシングとは、娯楽として釣りを楽しむことを指します。食べるためではなく「魚を釣る」という行為を楽しみます。ですので、釣った魚は海に返すのが一般的です。

これは、魚が痛みを感じないと信じられているからこそできる行為です。もし魚が釣りなどによって痛みを感じていると立証された場合、倫理的な観点からスポーツフィッシングは禁止になるでしょう。

またこちらに、釣りへ行く際の便利グッズに関する記事を載せておきます。釣りに行く際は、この記事を参考に持ち物を確認してはいかがでしょうか。

魚に痛覚があると断定された場合起こること②踊り食いの禁止

魚に痛覚があると断定された場合起こること2つ目は、踊り食いの禁止です。踊り食いとは日本独自の文化で、生きたまま魚を食べることです。もし魚が痛みを感じているのなら、生きたまま食べられることは魚にとって苦痛です。そうなると、日本の踊り食いが禁止されることになると考えられます。

魚の痛覚には様々な憶測が飛び交っています

一昔前まで魚には痛覚が存在しないという説が一般的でした。しかし近年、魚の痛覚に関する研究が進み、その説が覆されようとしていいます。魚の痛覚にはまだ未解明な点が多々あり、痛覚の有無を断定することはまだできません。ですが私達は、痛覚の有無に関わらず魚の命に敬意を払うことを忘れてはいけません。

●商品やサービスを紹介いたします記事の内容は、必ずしもそれらの効能・効果を保証するものではございません。
商品やサービスのご購入・ご利用に関して、当メディア運営者は一切の責任を負いません。