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昨年と去年の意味の違いとは

昨年の意味①丁寧な表現

スーツの男性

「昨年」の意味は「今年の前の年」です。「昨年」は明治以降に用いられるようになった新しい語ですが、今では一般的によく使われるようになりました。「昨年」は、特にきちんとした場面で好まれる改まった表現です。例えば、文章を書くときや敬語が求められる場面では「昨年」を使う必要があります。

昨年の意味②現在完了

小さい木

「昨年」は「今年の前の年」を表す言葉ですが、単純に前年を表すだけの言葉ではありません。厳密には、「昨年」は英語の現在完了形に近い意味を持っています。そこで、「昨年」には現在との比較や、状態の継続を表す表現も多く存在します。

例えば、「昨年度」という言葉は、今の状態と前年の状態を対比するものです。「昨年度の2倍の売り上げだった。」という文では「昨年度」と今を比較していると言えます。また、「昨年度」の対義語が「今年度」である点でも「昨年」に現在との比較の意味合いがあると言えます。

「昨年来」という語はある状態が前年で完全に終わらず、現在までずっと続いているという継続を表しています。例えば、「私と彼は昨年来の友人だ。」という文では、友人関係が昨年からずっと続いているという継続を表しています。このように、「昨年」には現在完了形に近い時間の意味が含まれます。

去年の意味①口語表現

女の子の友達

「去年」は「今年の前の年」を表す古くから使われる漢語表現です。「昨年」と表す時は同じですが、厳密には違いがあります。「昨年」は改まった場面で使われる比較的堅い表現なのに対し、「去年」はフランクな場面で好まれる口語的な表現です。例えば、友人や同僚などの気の置けない間柄の人との会話で使われます。

去年の意味②過去

カレンダーとコーヒー

「去年」は過去の一点を表す表現として用いられます。「昨年」が今との比較や状態の継続を表すのに対し、「去年」はその意味を持ちません。そのため、比較や継続を表したい場合には「去年」は使うことが出来ません。比較したい場合には「去年と比べて」など比較するという意味合いの動詞との併用が必要です。

また、状態の継続を表したい場合は「去年から」というように助詞との組み合わせが必要となります。同じ前年を表す「昨年」と「去年」ですが、それぞれが持つニュアンスや時制には大きな違いがあります。

昨年と去年の使い分けの違いとは

昨年と去年の使い方①丁寧な挨拶

手紙

敬語が求められるようなシーンでは丁寧な表現である「昨年」が適切です。目上の方との会話や書類などの文章中では特に、「昨年」を使わなければなりません。つまり、年賀状でよく見られる「昨年はお世話になりました。」と「去年はお世話になりました。」では前者の「昨年」が正しい表現となります。

また、去年の「去」という言葉は忌み言葉とされ、おめでたい場面では避けるべきものです。そのため、年賀状に限らず、結婚式や出産などの慶事の場面でも「去年」は使わず、「昨年」を使わなければなりません。相手を不快にさせないためにも、大人のマナーとして正しく使い分けたい言葉です。

昨年と去年の使い方②複合名詞

友達と勉強

「昨年」と「去年」の大きな違いは複合名詞化できるかどうかです。「昨年」は他の語と組み合わせて使うことができます。例えば「昨年末」や「昨年来」、「昨年度」などのように「昨年」の後ろに語がついて、新しい言葉を作ることができます。これらは、「去年末」、「去年来」、「去年度」とは言えません。

そこで、他の語と組み合わせて新たな別の語を作る場合は「昨年」が用いられ、「去年」は用いられない言えます。つまり、「昨年」の方が「去年」よりも汎用性の高さに違いがあるという特徴がみられます。

昨年と去年の使い方③日常生活

スマホと女性

「去年」はフランクに使える口語的な表現なので、日常会話では「去年」が好まれます。「昨年」が堅い印象なのに対して「去年」は親しみがるため、親しい間柄では会話をはじめ、メールなどの文章中でも「去年」の方が適切な場合もあります。相手との関係性を踏まえた上での使い分けも必要だと言えます。

昨年と去年の例文4選

昨年の例文①丁寧な言葉遣いが必要なビジネスシーンの場合

ビジネスでの挨拶

「昨年」の例文の1つ目は取引先との会話で使えるものです。例えば、「昨年に引き続き、今年もよろしくお願いいたします。」という挨拶が考えられます。ビジネスシーンでは、態度で敬意を払ったとしても、敬語が正しく使えなければ信用が得られないこともあります。円滑にビジネスを進める上でも心がけたい言葉です。

昨年の例文②正しい敬語が求められる年賀状の場合

ポストカード

「昨年」の2つ目の例文は年賀状の挨拶で使えるものです。例えば、「昨年中のご厚情に心より御礼申し上げます」は「あなたからの深い親切心に感謝します」という意味なので、上司などの目上の方に送る年賀状に適切な表現と言えます。年賀状には様々な挨拶がありますが、どれが適切かの判断が難しい場合に使いましょう。

去年の例文①親しみを出したい友人との会話の場合

女友達とアイス

去年の例文の1つ目は親しい間柄の人との会話で使えるものです。例えば、「去年の夏に海に行ったね!」といったものがあります。親しい人との会話では「昨年」はあまりにもかしこまりすぎた印象があります。そこで、親しい人との会話で前年の話をするときには「去年」を使うと違和感が出ないでしょう。

去年の例文②かしこまりすぎない接客シーンの場合

買い物

去年の例文の2つ目はお店などの接客の場面で使えるものです。例えば、「この色は去年からずっと人気です。」というものが考えられます。接客では敬語が必要ではあるものの、あえて「去年」を使うことで、あまりかしこまらずにお客様との関係に親密感を出すことができます。

昨年と去年の類語

昨年と去年の類語①前年

壁掛け時計

「前年」は「前の年」を表し、読み方は「ぜんねん」です。「昨年」や「去年」とは違い、基準となる年の前の年を表すので、基準が今年なら去年を、基準が去年なら一昨年を表します。また、「昨年」同様に「前年比」や「前年度」など複合名詞化して使われることが多い言葉でもあります。

昨年と去年の類語②旧年

プレゼントと手紙

「旧年」は前の年を表す新年の季語です。そのため、年賀状で好んで使われている言葉です。例えば、年賀状の文面では、「旧年は何かとお世話になりありがとうございました 本年も何卒よろしくお願いいたします」などと使うことができます。

前の年を表す言葉には、「昨年」、「去年」、「前年」、「旧年」の4種類があります。それぞれにはっきりとした違いがあるので、使用したい場面に合わせて適切なものを選びましょう。

昨年と去年より前を表す言葉

昨年と去年の前年とは一昨年のこと

卓上カレンダー

「昨年」と「去年」の1年前を表す言葉は「一昨年」です。しかし、「昨年」と「去年」の使い分けに違いがあるように、実は「一昨年」の読み方にも違いがあります。「昨年」の前の年は「一昨年」と表記し、「いっさくねん」という読み方をします。対して「去年」の前の年は「おととし」と表記します。

「おととし」は「一昨年」と表記することもありますが、その場合でも読み方は「おととし」です。敬語としては「一昨年」と表記して「いっさくねん」と読んだ方が良い言葉です。漢字で表すと同じ「一昨年」ですが、読み方の違いに注意して使用しましょう。

また、「去年」の前年を「去去年」と表記することもあります。この場合、読み方は「きょきょねん」です。このように、様々な言い方がある「昨年」と「去年」の1年前を表す言葉ですが、それぞれに大きな違いがあります。その違いを理解して、場に応じた使い分けをしたい言葉です。

昨年と去年の前々年とは一昨昨年のこと

勉強中の女性

昨年と去年の2年前、つまり一昨年の前年を表す言葉は「一昨昨年」です。「一昨々年」と表記する場合も多く見られます。その読み方は「いっさくさくねん」、「さきおととし」、「さおととし」と3種類あります。「さきおととし」が一般的なようですが、3種類全て覚えておくと不足はないでしょう。

ここまで、時制を表す表現を沢山ご紹介しましたが、それぞれにきちんと意味があり、使われる場面に違いがあることが分かりました。なんとなくで使うのではなく、改めて正しい言い方を覚えて適切に使っていきましょう。

昨年と去年の対義語

昨年と去年の対義語①明年

書類

「昨年」と「去年」の対義語の一つに「明年」があります。読み方は「みょうねん」です。「明年」は今年の翌年を意味する丁寧な言い方です。つまり、同じ丁寧なニュアンスを持つ「昨年」の対義語は「明年」と言えます。目上の方との会話などの正しい敬語が求められる場面では「明年」が丁寧さが伝わる言い方です。

昨年と去年の対義語②来年

乾杯

「昨年」と「去年」の対義語の二つ目は「来年」です。「らいねん」と読み、比較的フランクな場面で用います。つまり、フランクな場で用いられる「去年」の対義語は「来年」と言えます。そこで、友人との会話など、日常会話の中では「来年」の方が適切となります。

昨年と去年の意味の違いを理解して丁寧に使おう!

今年の前の年という同じ意味を持つ「昨年」と「去年」ですが、明確には使用できるシーンが違います。特に敬語やマナーが重視されるビジネスシーンや慶事では、使い方を間違えると相手を不快にさせてしまうこともあります。「昨年」は改まった言い方、「去年」は口語的に使うものと二つの違いを区別して使い分けてましょう。

「昨年」と「去年」の使い分けを完璧にするなら、それらの類語にも注意したいですね。ご紹介した「一昨年」や「一昨年」、「明年」、「来年」などの言葉の意味の違いもマスターして使いこなしていきましょう。日常で頻繁に使用する言葉こそ正く使い分けることが大人のマナーにもつながります。

また、「昨年」「去年」以外にも違いを理解して正しく使い分けなければならない言葉が多々あります。関連記事で改めて正しい言葉の意味の違いと使い方をマスターしてみましょう。

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