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菖蒲とあやめの違いは?花が咲く時期や種類・名前の意味・人気の違いを紹介!

更新:2020.11.10

菖蒲という漢字、何と読みますか?これは「しょうぶ」または「あやめ」と読まれますが、実際のショウブとあやめは別物です。では、どのような違いがあるのでしょうか。開花時期や種類などから探っていきましょう!また、カキツバタや花菖蒲との違いについても触れていきます!

菖蒲とあやめの特徴は?

菖蒲は「サトイモ科ショウブ属」の植物

菖蒲

菖蒲(しょうぶ)とは「サトイモ科ショウブ属」の植物で、川や沼などの水辺に群生します。背丈は70cm程、葉は剣状、微かな芳香が感じられます。花は蒲(がま)に似た穂状(猫じゃらしの先のような形、あるいはアルストロメリアの中央に立つ縦長の部分に似る)であり、色は黄味がかった薄茶色です。

穂状部に小さな花がほぼ密生しているため、一見はブツブツ感があり綺麗とは言えません。そのためか、学名Acorus calamus(あるいはangustatus)のAcorusは一説によればギリシャ語で「美しくない花」を意味する言葉だと言われています。本項の菖蒲は、端午の節句に行う菖蒲湯で使います。

近縁種は同科同属の石菖(せきしょう)で、別名「石菖蒲(いしあやめ)」と言います。石菖の方が菖蒲よりも穂状の花が長いため、見分けは簡単です。ちなみに、菖蒲園で見る菖蒲は大半が花菖蒲であり、本項の菖蒲とは別種の花とされます。花菖蒲は紫花、菖蒲は穂状の花なので見分けは難しくありません。

あやめは「アヤメ科アヤメ属」の植物

あやめ

あやめとは「アヤメ科アヤメ属」の植物で、湿地は向かず乾燥地を好みます。背丈は30cm〜60cm、剣状の葉を持ち、紫色の大輪を咲かせます。中には、白色品種も存在します。漢字では「菖蒲」と書くためサトイモ科ショウブ属の菖蒲との違いで混乱する方が多いようですが、花が全く違うため見分けはとても簡単です。

また、あやめの漢字には「文目」や「綾目」もありますが、一般的には「菖蒲」あるいは「あやめ」「アヤメ」と表記されることが多いです。あやめの学名はIris sanguineaで、日本でも「アイリス」の言葉を見聞きしたことがある方は多いでしょう。アイリスは、日本語で虹を意味する言葉です。

日本名では「サトイモ科ショウブ属のショウブ」も「アヤメ科アヤメ属のアヤメ」同じ「菖蒲」と書くことが多いので大変紛らわしいのですが、学名では「アコルス」と「アイリス」に分かれるため、植物名としても混乱は起きにくいとされます。あやめのような紫色の心理的意味に興味がある方は、以下の記事が参考になります。

菖蒲とあやめの開花時期の違いは?

菖蒲の開花時期は5月〜7月

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サトイモ科ショウブ属の菖蒲は、5月〜7月に開花時期を迎える初夏の花です。沼や川などの水辺に行くと、自生している姿を見かけることがあります。しかし、花と呼ぶには色も無く形も独特であるため、遠目では見つけにくいかもしれません。

あやめの開花時期は5月中旬〜下旬

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アヤメ科アヤメ属のあやめは、5月中旬〜下旬に開花時期を迎える晩春の花です。開花時期に水辺ではない乾燥地に行くと、その紫色の姿を見かけることがあるでしょう。草木に生える紫色の大輪を咲かせるため、遠目でも発見できます。

菖蒲とあやめの開花時期の長さが異なる

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菖蒲もあやめも5月から開花時期を迎えますが、あやめは5月下旬頃に開花時期を終えるのに対し、菖蒲は7月まで開花時期が続きます。そのため、あやめが見られなくなった6月〜7月辺りでも菖蒲の花を見つけることはできます。

しかし開花時期はおおよそなので、気候などの影響により開花時期が遅くなったり早くなったりもします。菖蒲とあやめの違いを開花時期だけでは測れないことがあるという話ですが、実際には花の形状が違うので区別の際に問題は生じないでしょう。

菖蒲とあやめの種類の違いは?

菖蒲の種類は少ない

分布

日本で菖蒲(しょうぶ)と呼ぶのは1つだけであり、ヤマイモ科ショウブ属の括りで見ても大方5〜6種程しかありません。日本で古くからヤマイモ科ショウブ属とされてきたのは、「菖蒲」と近縁種の「石菖」だけでした。菖蒲はアジア圏・ヨーロッパ圏・北アメリカに分布しています。石菖は、日本と中国の一部に分布します。

現在は「北米の亜種として独立していた種類」も加わって、ヤマイモ科ショウブ属は全部で5~6種類あると言われています。日本に菖蒲の品種改良種は無く、バラなどのように「同じ花でも品種が異なるため名称も違う」といったことは生じません。そのため、菖蒲と言えば「端午の節句で菖蒲湯に使う植物」となります。

あやめの種類は比較的に少ない

あやめ

あやめの仲間になる植物の種類は、それほど多くありません。菖蒲(しょうぶ)よりは多くありますが、菖蒲園で人々に古くから愛される花菖蒲よりは少ないです。一般的な種類には、戸畑あやめ・チャボあやめ・クルマあやめなどがあります。

戸畑あやめ(とばたあやめ)は北九州市に伝わる小型のあやめで、根元に花を咲かせます。チャボあやめは葉上に花を咲かせ、クルマあやめは内側の花弁が他の種類よりも発達しています。同じあやめでも種類により特徴があり、その特徴さえ知っていれば、違いによる区別が割と簡単に行えます。

菖蒲とあやめの人気の違いは?

菖蒲の人気は低い

考える

菖蒲の花は一見花に見えない上に色合いも鮮やかではないため、人気度はかなり低いと言えます。低いどころか「あやめや花菖蒲の花は知ってるけど、菖蒲湯に使う菖蒲の花は知らない」と言う方も多いようです。

あやめの人気はまずまず

あやめ

あやめの人気度は花菖蒲ほどではありませんが、菖蒲園と書いて「あやめえん」と読む場所では開花時期が来ると一般向けに開園するので、あやめを好む人も少なくはないと考えられます。花菖蒲の方が日本で愛でられている時期が長いので人気で負けることは否めませんが、あやめが見せる紫色の大輪も美しいものです。

日本では花菖蒲の方が人気度は高いとされますが、西洋や欧米ではあやめの人気度が高いと言われています。海外では基本的に学名「アイリス」で呼ばれますが、アイリスは聖書にも登場することがあるため、西洋や欧米での人気度にはそういったイメージも関係しているのかもしれません。

以下の記事では、折り紙で作るあやめの折り方についてご紹介しています。様々な折り方がありますので、気になる方はご覧ください。

菖蒲とあやめの名前の意味と由来は?

菖蒲の名前にある意味と由来

本

菖蒲の名前は「蒲のような花をつける菖」という意味が由来となっています。「菖」は「しょうぶ」や「あやめ」の植物を指す漢字です。「蒲」は菖蒲のように美しくはない穂状の花をつける植物です。菖蒲よりも花の密生度が高く、一見はマダラに見えません。また、茶色なので、黄色でマダラの見られる菖蒲とは区別できます。

つまり、「蒲のような花をつける菖」は「蒲に似た穂状の花をつける菖の類」という意味です。しかし、漢方の世界では菖蒲を「白菖」と書きます。漢方で言う菖蒲は「石菖」のことを言うため、少しややこしくなります。漢方の世界に触れることがある時には、菖蒲と石菖の呼び名について気を付けてくださいね。

あやめの名前にある意味と由来

あやめ

あやめの名前は「剣状の細葉が縦に並ぶ様子が文目模様に見えること」が由来です。文目模様(あやめもよう)の文目から、あやめという名前が付けられたと言われています。このことから、あやめは「菖蒲」ではなく「文目」と書くこともあります。また、「綾目」と表記することもあります。

綾目という表記は、「花弁の基部にある黄色のところに縞模様」を「綾目」と表現したことが由来です。文目模様なのか?はたまた網目模様・縞模様なのか?という話ですが、どちらも確かな名前の由来であると言われます。「文目」と書く由来は葉の文目模様、綾目と書く由来は花にある縞模様であるということです。

菖蒲やあやめに似た花菖蒲とカキツバタとは?

花菖蒲とカキツバタはアヤメ科アヤメ属の植物

花菖蒲はアヤメ科アヤメ属の植物で、乾燥地にも湿地にも適します。背丈は80cm〜100cmで、花は小輪、開花時期は5月下旬〜6月下旬です。菖蒲に似た葉を持ちながら、菖蒲よりも花らしい花を咲かせるので「花菖蒲」と呼ばれています。

カキツバタもアヤメ科アヤメ属の植物で、水辺などの湿地に適します。背丈は50cm〜70cmで、花は中輪、開花時期は5月中旬です。青紫の花から染み出させた色を布などに書き付けたため昔は「書付花」と呼ばれており、それが鈍ってカキツバタになったのが名前の由来と言われています。

菖蒲・あやめ・花菖蒲・カキツバタの違い

花菖蒲とカキツバタ、菖蒲とあやめの違いを様々な面から見ていきます。植物分類では菖蒲だけがヤマイモ科ショウブ属、他の3つはアヤメ科アヤメ属です。開花時期は花菖蒲5月下旬〜6月下旬・カキツバタ5月〜5月下旬とされています。

栽培や自生に適する場所は、菖蒲とカキツバタは水辺・あやめは乾燥地・花菖蒲はどちらでもOKです。花は菖蒲のみ穂状で、他の3つは紫花です。種類の数は、菖蒲は・花菖蒲は多め・あやめとカキツバタは少なめとされます。

菖蒲と他3つは花の形状が違うため、表記の漢字以外で見たり考えたりすれば区別は安易です。問題なのは他の3つの違いですが、花弁の元にある模様を見れば違いを区別できます。あやめの模様は名前の由来にもあったように「網目模様」で、花菖蒲は「黄色の目型模様」カキツバタは「白色の目型模様」となっています。

菖蒲とあやめは別の種類!カキツバタや花菖蒲にも惑わされず区別しよう!

あやめは「菖蒲」と書くために「菖蒲(しょうぶ)」との間で紛らわしい勘違いが起きがちですが、花・開花時期・咲く場所・名前の由来などあらゆる面で違いがありました。花菖蒲は名前の面で菖蒲との違いが紛らわしく、カキツバタは花の面であやめや花菖蒲との違いが紛らわしくなりますが、各自確かに違いのあるものです。

名前の意味や学的分類の違いでは直ぐに見分けることができないため、目の前にあるものが何か?を知りたい時には「花の違い」を見ましょう。菖蒲は他3つとは明らかに違い、黄色い小さな花が群生した穂状なので違いは歴然です。あやめ・花菖蒲・カキツバタの違いは「花弁の元にある模様」ですので、確認して区別しましょう。

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BELCY編集部

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