
生後1ヶ月の子猫の育て方は?食事や体重と世話のコツや抱っこの仕方も
生後1ヶ月未満の子猫はまだ自分で食事も排泄もできない赤ちゃんなので、あなたが母猫代わりになってお世話をしてあげなければなりません。育て方で注意するポイントや、平均体重、餌のやり方など、生後1ヶ月の子猫を育てるために絶対に知っておくべきことをご紹介します。
INDEX
生後1ヶ月の子猫に最適な環境や食事は?平均体重は?
育て方の注意ポイントは食事・排泄・体温調節・睡眠
生後1ヶ月の子猫はまだ授乳期で、本来なら母猫が世話をしている時期です。ペットショップで売られているのは生後2ヶ月〜3ヶ月以降が一般的ですが、保護猫など事情があって生後1ヶ月未満の赤ちゃん猫を育てることになる場合もあるでしょう。
しかし、生後1ヶ月頃までの子猫の育て方は決して簡単ではありません。子猫は基本的に何も自力でできないので、飼い主が母猫の代わりになって餌やりや排泄、体温調節まで世話をすることになります。ただ『かわいいから』という安易な理由ではなく、しっかり母猫代わりとして世話をする覚悟を持ってから子猫を迎えましょう。
免疫力の弱い生後1ヶ月の子猫の育て方でもっとも注意する点は、食事(餌やり)、排泄、体温調節、睡眠の4つです。後ほどそれぞれのお世話の仕方を詳しく説明していきます。
生後1ヶ月の子猫を育てるために準備するもの
生後1ヶ月の子猫を育てるために準備しなければならないものを、生後1ヶ月までと生後1ヶ月以降の食事に使うものと、お世話に使うものに分けてご紹介します。リスト内のアイテムの他に、ティッシュやカーゼなどはいくらあっても困ることはないというほど重宝します。
生後1ヶ月までの食事に使うもの
- 子猫用哺乳瓶
- 子猫用粉ミルク
生後1ヶ月以降の食事に使うもの
- 食器(餌用、水飲み用)
- 子猫用ドライフード/ウェットフード
生後1ヶ月までのお世話に使うもの
- 猫用のベッド(市販のものや、ダンボール箱など)
- 柔らかい毛布やタオル(ベッドに敷いたり、子猫を包むため)
- ペットゲージ/ペットキャリー
- ペット用の保温グッズ
生後1ヶ月以降のお世話に使うもの
- 猫用トイレ・トイレ砂
- 爪とぎ
子猫に快適な室温で体温調整
生後1ヶ月頃までの子猫の育て方の大切なポイントのひとつは体温の保持です。自力で体温保持をすることがうまくできない子猫は、体温が下がると食欲がなくなり、すぐに体調を崩してしまいます。子猫にとって快適な室温と適度な湿度(40%〜60%)を常に保つこと心がけましょう。
子猫にとって快適な室温の目安は、生後2週間までは27度〜30度、その後は24〜25度です。冬場など肌寒く感じるときにはもう少し室温を上げた方がいいでしょう。それから、快適なベッドを作ることも大切です。市販の猫用ベッドや毛布を敷いたダンボール箱などを利用して、暖かくて通気性のよい環境を作りましょう。
子猫の体温保持にはエアコンで室温調節をする以外に、湯たんぽやペット用の暖房器具を利用する方法も便利なので、低温やけどに気をつけながら取り入れてみましょう。猫用の暖房器具についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせて読んでみてください。
生後1ヶ月の餌は子猫用ミルク
子猫の一般的な離乳期は生後6週〜8週あたりです。それまでは子猫用の粉ミルクが餌になります。牛乳や人間用のミルクでは、消化不良で下痢を起こしたり栄養不足になってしまうので必ず子猫用ミルクを与えましょう。子猫用のミルクや哺乳瓶はペットショップやオンラインショップで簡単に見つけることができます。
生後1ヶ月頃の子猫は、まだ胃が小さいので一度にたくさんの量を飲むことができません。2〜3時間おきに、1日合計5〜6回の授乳に分けるのが目安です。1回の量は10ccほどで、ミルクを入れた哺乳瓶を湯せんで人肌に温めてから飲ませます。熱すぎないか、飲ませる前に必ず手の甲にたらして確認しましょう。
生後1ヶ月を過ぎたら、少しずつミルクの量を減らして子猫用のウェットフードや、ドラフードなどの餌を水やお湯でふやかしたものを与えて離乳の準備を始めます。硬い餌はまだ食べられません。餌のパッケージに書かれてある1日の適量を3〜5回の食事に分けて、様子を見ながら進めていきましょう。
POINT
離乳食スタートのサイン
哺乳瓶の吸い口に歯の傷がつくようになったら、乳歯が生え揃ったサイン。そろそろ餌の切り替えの準備をしましょう。
生後1ヶ月までの子猫の平均体重
赤ちゃん猫の健康状態を知るためには、体重の増え方が順調かどうかが目安になります。特に生後1ヶ月くらいまでは、毎日決まった時間に体重測定をすることをお勧めします。一般的に成長期の赤ちゃん猫は1日に最低10g前後、1週間で約100gずつ体重が増えていくのが理想的と言われています。
子猫の平均体重
- 出生時:約100g
- 生後10日:約200g
- 生後1〜2週:約200〜300g
- 生後2〜3週:約300〜400g
日によって体重の増え方は変わるので、たまに体重の増加が少ない日があったからといって慌てる必要はありません。しかし、なかなか体重が増えない場合や、急に体重が減ったという場合は、ミルクの量が足りているかどうか、食事以外に気になる症状がないかなどをチェックして、心配な場合は動物病院に相談しましょう。
子猫の体重の測り方のコツは、まず測りの上にかごやダンボール箱などを乗せて、その状態が0gになるようにセットしてから、そのかごの中に子猫を入れて体重を測ると比較的簡単です。子猫は怖がってかごから逃げ出そうとすることが多いので、普段ベッドに敷いている毛布などをかごに一緒に入れて安心させてあげましょう。
POINT
1日5g未満の体重増加は心配!
1日の体重増加が5g未満だとミルクの量が足りていないのかもしれません。なかなか体重が増えない場合は動物病院に行きましょう。
生後1ヶ月の子猫の世話の仕方は?排泄は?
母猫の代わりに排泄の世話をしてあげよう
生後1ヶ月未満の子猫は母猫がお尻を舐めて排泄を促すので、まだ自分ではうまく排泄をすることができません。そこで、飼い主が母猫の代わりに子猫の排泄のお世話をしてあげる必要があります。
方法は、ぬるま湯に浸したガーゼやコットンで、肛門のあたりを軽くちょんちょんと触って刺激します。授乳期の赤ちゃん猫は、まだウンチはあまりせず、少量のおしっこをする程度です。ミルクを飲んだあとに出ることが多いので、授乳後に毎回試してみましょう。
自分で排泄ができるようになったら、トイレのしつけのスタートです。床の匂いを嗅いだり、穴を掘るような動作はトイレのサインなので、見つけたら猫用トイレに連れて行きます。何度も繰り返すうちに、そこがトイレだと子猫自身が認識するようになるので、失敗しても叱らず、根気よく繰り返すこと大切です。
POINT
トイレのしつけのスタートが遅れたら?
猫はもともとキレイ好きなので、一旦トイレの場所を認識すればそこでするようになります。トイレのしつけを始めるのが多少遅くなっても心配する必要はありません。
おしっこの量や色で健康チェックをしよう
子猫の1回のおしっこの量は少量なので、量が少ないからといって心配する必要はありません。ただし、ミルクを飲んだあとにおしっこが出ないなど、1日に出るおしっこの回数が少なかったり、色が濃いときには脱水症状を起こしている疑いがあります。
正常なおしっこの色は薄黄色ですが、脱水症状を起こしていると色が濃い黄色になります。脱水症状を起こしている場合は、ミルクの量を調節するなどして、水分補給をしてあげましょう。排泄時にティッシュをお尻のの下にあてておくとチェックがしやすいです。
遊びすぎに注意!十分な睡眠を確保しよう
生後1ヶ月頃までの子猫は、食事と排泄以外、1日の大部分を寝て過ごします。1歳未満の子猫の平均睡眠時間は1日18〜20時間といわれているので、生後1ヶ月の赤ちゃん猫なら、20時間は寝かせてあげるような環境を作りましょう。
構いすぎは十分な睡眠時間が確保できなくなるので我慢しなければなりませんが、子猫が起きている間に周りのものに興味を示していろいろな場所に行こうとした場合は、歩行練習もかねて家の中の安全な場所を自由に歩かせてあげることも大切です。
好奇心旺盛な子猫がおもちゃなどにでも遊び始めたら、猫じゃらしなどを作って少しずつ一緒に遊んでみましょう。猫じゃらしの作り方や猫用のおもちゃについては、こちらの記事を参考にどうぞ。
生後1ヶ月の子猫の抱っこの仕方は?
赤ちゃんのうちから抱っこに慣れさせよう
小さい頃から抱っこに慣れていないと、成猫になってから抱っこを嫌がるようになるといわれています。日常生活だけでなく、動物病院で診察する際なども、抱っこに慣れていると便利なことが多々あります。子猫のうちは抱っこをする機会も多いので、できるだけこの時期に抱っこに慣れさせるようにしましょう。
上手な抱っこの仕方
生後1ヶ月の子猫は小さくて柔らかいので、子猫の育て方に自信のない方は抱っこの仕方に戸惑うことも多いのではないでしょうか?おすすめの子猫の抱っこの仕方は、子猫が寄ってきたら子猫の体とあなたの体をくっつけたまま抱き上げ、片方の手で子猫の首から脇の辺りを支え、もう一方の手でお尻を支える方法です。
コツは体を安定させて子猫を怖がらせないことと、体全体を支えることです。首のあたりとお尻から後ろ足のあたりを軽く支えることで、急に暴れたときに抑えることもできます。
前足だけや後ろ足だけなど、体の一部だけを持って抱っこするのは関節が外れる危険があるので絶対にNGです。また、子猫が嫌がるときに無理やり抱っこするのは極力避けましょう。無理やり抱っこし続けると、逆に抱っこが嫌いになってしまうことがあります。
子猫が触られて嬉しい場所・嫌いな場所
抱っこと同様に、人に触られることに小さい頃から慣れさせておくことも大切です。その際に、子猫が触られて嫌なところを触ると、人に触られるのを嫌うようになることがあるので、子猫が触られて喜ぶ場所を撫でるようにしましょう。
子猫が触られて喜ぶ場所は、基本的に猫同士が舐め合う場所といわれています。なかでも耳の付け根のうしろは、たいていの猫が落ち着くポイントのようです。猫によって差があるので、こちらの一般的に触られて喜ぶ場所と触られたくない場所の一覧を参考にしながら子猫のリアクションを見てみてみましょう。
猫が触られて喜ぶ場所
- 耳のつけ根のうしろ
- 頬
- あご
猫が触られるのを嫌う場所
- お腹(内臓が近い)
- しっぽ(神経が通っている)
- 前足の先(敏感な感覚器官)
生後1ヶ月の子猫の体調で注意すべきことは?
生後1ヶ月の子猫は脱水症状に注意しよう
生後1ヶ月の子猫は免疫が弱く、ちょっとしたことで体調を崩しやすいので、普段からしっかり健康状態をチェックしなければなりません。風邪をひきやすく、嘔吐や下痢から脱水状態になることも珍しくありません。
脱水症状は、体温の低下から食欲がなくなり十分なミルクを飲めていない場合にも起こります。子猫が脱水状態になったら、まず暖かくして子猫用のミルクで水分補給をしてあげましょう。脱水症状はおしっこの回数や色をチェックすることで早めに気付くことができます。
普段からできる健康チェックポイント
食欲や体重の増加の仕方、おしっこの量や色などで体調不良を知ることもできますが、他にも普段から健康状態をチェックできるポイントをいくつかご紹介します。
子猫の目や鼻、耳、毛並み、肛門の周りを日頃からチェックする癖をつけることで、体調の変化に早く気付くことができます。具体的には、目やにが出ている、目が濁っている、鼻水が出ている、耳の中が汚い、匂いがする、毛並みが悪い、肛門が腫れているなど、普段と違う点があれば赤信号です。
いつ連れて行く?動物病院に連れて行く目安
『子猫の様子がいつもと違うけど、動物病院に連れて行くほど深刻なのかな?』『こんなことで動物病院に行っていいのかな?』と悩むこともあるでしょう。しかし、生後1ヶ月の子猫は、風邪などのちょっとした病気でも免疫力が弱いために衰弱して命の関わることもよくあります。
体重の増加が1日5g未満が続く、猫用ミルクを与えても脱水状態が改善されない、ミルクを飲もうとしない、普段と様子が違う、育て方に不安があるなど、少しでも心配な点があれば、できるだけ早く動物病院に行くことをおすすめします。いつでも動物病院に行けるよう、ペットキャリーははじめから準備しておくと便利です。
1ヶ月の子猫を育てるのには覚悟が必要
1ヶ月の子猫を育て方は、ただ餌をやればいいというような簡単なものではありません。人間の新生児のお世話をするように、2〜3時間おきの授乳や排泄の手伝いまでしなければならないのです。その覚悟ができていなければ、子猫を迎えるべきではありません。
はじめは育て方で戸惑うことも多いかもしれませんが、自分が母猫の代わりとして子猫を育てなければならないという自覚と責任を持ってお世話をすれば、子猫が大きくなったときのかわいさや達成感はひとしおです!
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