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音読みと訓読みの意味の違いとは?漢字や熟語の音訓の区別と見分け方も

更新:2019.06.21

漢字の音読みと訓読みは、国語の時間によく勉強しましたね。でも、きちんと整理してみると、意外と曖昧な点がみつかります。例えば、「肉」は「にく」と読みますが、これは音読み?訓読み?熟語になると、どうやって区別すれば良い?違いをハッキリさせて、スッキリしましょう。

音読みの意味3選

音読みの意味①中国語の発音をもとにしている

音読みの意味の1つ目は、中国語の発音をもとにした読み方ということです。日本で使用されている漢字は、5~6世紀ごろに中国から輸入されたものです。文字の形といっしょに、読み方の音も入ってきました。遣唐使として派遣された人や留学した僧が、一生懸命学んで持ち帰ったとされています。

音読みの意味②聞いただけでは意味が分かりにくい

音読みの意味の2つ目は、単体の音を聞いただけでは、意味が分かりにくい読み方ということです。例えば「ショ」という音だけを聞いて、意味のある言葉に変換しようとすると「書・所・署~」など、たくさんの候補が挙がります。言葉が表すイメージを、絞りにくいのが音読みです。

音読みの意味③熟語なら分かる場合がある

音読みの意味の3つ目は、熟語なら分かる場合があるという読み方です。例えば、「デンエン」という音であれば、意味の候補は「田園」という熟語に絞りやすいですね。「カザン」であれば、「火山」が真っ先にイメージされることでしょう。

熟語の場合は、中国語の音を採用したほうが、短くて言いやすかったのかもしれません。あるいは、まだ日本には存在しない概念だったので、もとの言葉のまま定着した可能性があります。

訓読みの意味3選

訓読みの意味①漢字の意味を日本語に翻訳している

訓読みの意味の1つ目は、漢字の意味を日本語に翻訳している読み方ということです。漢字が輸入されたときに、「山」の読み方が「サン」だということは伝わったでしょう。しかし、漢字を自分たちのものとするには、意味も理解していなければいけません。

英語話者に「I love youは日本語で何ですか?」と聞かれたら「愛してる」と答えるように、「山」は日本語で「やま」と翻訳されました。漢字を輸入していた当時の人たちは、膨大な翻訳作業に追われていたのかもしれませんね。当時の人々の努力の結晶が、現在の漢字の読み方だと考えると、感慨深いものがあります。

訓読みの意味②聞いただけで意味が分かりやすい

訓読みの意味の2つ目は、単体で音を聞いただけでも、意味が分かりやすい読み方ということです。「みず」と聞けば「水」が、「つち」と聞けば「土」が、すぐにイメージされます。

ただし、日本語を母語とする人にとっての「分かりやすい読み方」です。日本語を勉強する外国人にとっては、音読みも訓読みも似たようなものかもしれません。

訓読みの意味③送り仮名を必要とする場合がある

訓読みの意味の3つ目は、送り仮名を必要とする場合があるということです。例えば、「正」を「ただしい」と読むためには、「~しい」という送り仮名が必須ですね。一つの言葉として成り立たせるためには、漢字単体だけではなく、送り仮名も付け加えなければいけません。「ただ」だけでは、意味が混乱してしまいますね。

音読みと訓読みの違いの見分け方は?

違いの見分け方①表記の仕方

音と訓の違いの見分け方の1つ目は、表記の仕方です。漢字辞典などを見て、カタカナで表記されている読み方が音読み、ひらがなで表記されているのが訓読みとなります。「外来語はカタカナで書くので、中国語の読み方である音読みもカタカナ」と覚えておけば簡単です。

違いの見分け方②送り仮名の有無

音と訓の違いの見分け方の2つ目は、送り仮名の有無です。送り仮名は、訓読みの後にしか続きません。そのため、漢字の後ろに送り仮名がある場合は、訓読みと判断すればOKとなります。特徴的なので、すぐに判断できますね。

違いの見分け方③仮名での文字数

音と訓の違いの見分け方の3つ目は、仮名での文字数です。中国語の影響を受けている音読みは、仮名で書くと必ず3字以下となります。中国語には、漢字1文字に対して、一音節で発音するという決まりがあるからです。つまり、「正しい=ただしい」のように、読み方が4文字以上のものは訓読みになります。

しかし、3字の読み方となる訓読みも存在します。この場合は、読み方の2文字目をチェックすれば大丈夫です。音読みのであれば、必ず小さい「や・ゆ・よ」になるからです。つまり、「小=ショウ」は2字目が「よ」となるので音読みです。「少し=すこし」は、2字目が「や・ゆ・よ」以外なので訓読みとなります。

ちなみに、2字の読み方の場合でも、2字目をチェックします。2字目が「い・う・つ・く・ち・き・ん」のどれかで終わる場合は、音読みと判断しても大丈夫です。ただし、「靴=くつ」のように、訓読みでもいずれかの文字が当てはまる場合があるので、見分け方としては絶対ではありません。

違いの見分け方④最後の文字が「ン」

音と訓の違いの見分け方の4つ目は、最後の文字に注目することです。「新=シン」「円=エン」のように、最後の文字が「ン」で終わる場合は、音読みとなります。このタイプは、パッと見分けることが可能なので助かりますね。

違いの見分け方⑤読み方の数

音と訓の違いの見分け方の5つ目は、読み方の数です。常用漢字の場合、読み方が1つしかないものは、音読みとなります。例えば、「駅=エキ」「席=セキ」などは、他の読みがありません。

ただし、日本で独自に開発された「国字」呼ばれる漢字は例外です。日本生まれの国字は、日本語での読みしか存在しないため、読み方が一つでも訓読みとなります。「峠=とうげ」「榊=さかき」「辻=つじ」などが、国字です。

漢字は、音訓あわせて、じつにさまざまな読み方をします。見分け方について、ある程度納得がいったかたは、次のステップとして難しい読み方の漢字に挑戦してみませんか?「金糸雀」や「大蒜」など、読めそうで読めない漢字が一覧で紹介されている、こちらの記事がオススメです。

音訓の読み方の区別が難しい漢字5選

音訓の読み方の区別が難しい漢字①肉屋の「肉」

音訓の読み方の区別が難しい漢字の1つ目は、肉屋の「肉」です。音読みと訓読みのどちらかと聞かれると、意味が分かりやすいため訓読みと答える人が多いのではないでしょうか。じつは、「肉=ニク」は、読み方が一つしかないため、音読みとなります。過去に数多くの人が騙された、読み方の区別が難しい漢字の筆頭です。

ちなみに、現代では訓読みがないとされる「肉」ですが、古い読み方では「肉=しし」というものが存在していました。一説によると、「イノシシ」は「猪の肉」を意味した言葉だったとも言われています。現在では、「しし」と読む機会は失われているため、訓読みとしては認識されないことがほとんどです。

音訓の読み方の区別が難しい漢字②本を読むの「本」

音訓の読み方の区別が難しい漢字の2つ目は、「本を読む」の「本」です。こちらも、意味が分かりやすいため、訓読みと考える人が続出する漢字です。しかし、見分け方をチェックすると「ン」で終わる場合は音読みというものがありましたね。「本=ホン」は、音読みです。ちなみに、訓読みは「もと」ですね。

音訓の読み方の区別が難しい漢字③菊の花の「菊」

音訓の読み方の区別が難しい漢字の3つ目は、パスポートの表紙などでおなじみの花である「菊」です。日本の国花としても扱われることがある菊なので、訓読みと判断する人が多いのですが、こちらも音読みとなります。

菊も、読み方が一つしかない漢字で、中国から輸入されたものです。そのため、音読みとなるんですね。また、2字の読み方の見分け方で判断しても、2文字目が「く」となるのは音読みです。

音訓の読み方の区別が難しい漢字④親子丼の「丼」

音訓の読み方の区別が難しい漢字の4つ目は、食べて美味しい「親子丼」の「丼」です。「おやこドン」という読み方で、「ン」で終わるから音読み!と思った人は、残念ながら不正解です。「どん」または「どんぶり」は、訓読みになります。

「ン」で終わるものは必ず音読みですが、「ん」で終わる訓読みがないわけではないということですね。極わずかな例外の中の一つですが、混乱させられてしまいます。ちなみに、音読みは「タン」あるいは「トン」となります。

音訓の読み方の区別が難しい漢字⑤間取りの「間」

音訓の読み方の区別が難しい漢字の5つ目は、「間取り」の「間」です。こちらも、音読みとよく勘違いされる読み方ですが、じつは訓読みというケースです。そうえば「床の間(とこのま)」や「日本間(にほんま)」など、日本の伝統的な家屋の名前でよく使われていますね。音訓の読み方の区別は、本当に奥が深いです。

熟語の音読みと訓読みの区別

熟語の音読みと訓読みの区別①基本的には4つに区別する

熟語の音訓の区別の1つ目は、熟語の音訓の読み方には、基本的に4つの区別があることです。2字熟語を例にとってみると、「音×音」「訓×訓」「音×訓」「訓×音」の組み合わせで区別します。「音×訓」は重箱(じゅうばこ)読み、「訓×音」は湯桶(ゆおけ)読みとも呼ばれます。

熟語の音読みと訓読みの区別②熟字訓という区別もある

熟語の音訓の区別の2つ目は、熟字訓という区別もあることです。熟字訓とは、「小豆=あずき」「七夕=たなばた」のように、特別な読み方が訓読みで固定されている熟語のことです。漢字一つひとつではなく、熟語単位で読み方を当てはめたものなので、「小=あ」「豆=ずき」のように分解することはできません。

漢字の見分け方や区別は、なかなか複雑なものがあります。見分け方を極めるには、ルールなどを知るだけではなく、楽しく実践していくことも大事です。こちらの記事で紹介されている、かっこいい2字熟語を見ながら練習してみませんか?綺麗な組み合わせの熟語ばかりなので必見ですよ。

音読みと訓読みを完全に見分けるのは難しい

いろいろな見分け方を紹介しましたが、音読みと訓読みを完全に見分けるのは、難しそうですね。ルールは存在しますが、例外も存在するので、どの見分け方も絶対とは言い切れないのが残念なところです。

しかし、漢字の読み方が複雑であればあるほど、現在に至るまでの先人の努力が忍ばれます。5~6世紀に漢字が輸入されてから、現在の読み方が完成するまでに、たくさんのドラマがあったのかもしれません。音読みと訓読みについて調べながら、過ぎ去ったドラマに思いを馳せてみませんか?

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