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同族嫌悪の心理とは?対処法/意味/類語/対義語/同属嫌悪

更新:2019.06.21

同族嫌悪はなぜ起きるのか?その時の自分の心理にはどんな事が起きているのか、それはどうしたら克服出来るかを心理学の観点からまとめました。また日本人に特に多い原因や、同族嫌悪の類語である「近親憎悪」や、「同族嫌悪」と「同属嫌悪」に違いなどについてもまとめましたので、是非参考にしてみて下さい。

同族嫌悪の意味は?

まずは「同族嫌悪」を成すそれぞれの熟語の意味を知ろう

この「同族嫌悪」という言葉は「同族」と「嫌悪」という熟語が連なって出来ている言葉ですが、それぞれの言葉の意味は下記の通りとなります。

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どう ぞく 【同族】:① 同じ血筋・系統・分類に属しているもの。 ② 本家・分家関係に基づいて生活の連係・共同を行う地域的な家の集団。血縁分家のほか、雇人などの非血縁分家を含み、本家への依存関係が強くみられる。同族団。 引用元:Weblio辞書

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けん お【嫌悪】:きらいにくむこと。ひどくきらうこと。 「 -感」 「蛇蝎だかつのごとく-する」 引用元:Weblio辞書

「同族嫌悪」は漢字が表す通りの意味

「同族嫌悪」とはこの言葉を成す漢字の表す通り「同族」に対して「嫌悪感」や「苦手意識」を抱く事を意味する言葉です。例えば「ぶりっ子の人が苦手という女性が、実はその人自身もぶりっ子だった」という事があるように、自分と同じ趣味趣向や性質を持っている人に対して抱く嫌悪感の事を意味します。

また、この記事では主に人付き合いにおいて「同族嫌悪」をどのように解消するかを紹介させて頂きますが、日本人にはシャイな人が多いとされるように「そもそも人付き合い自体が苦手」という方も中にはいらっしゃるかも知れませんので、そんな方は下記の記事も是非参考に読んでみて下さい。

同族嫌悪の心理は?

同族嫌悪の心理①自分の影を投影している

「同族嫌悪」の心理の1つ目は嫌悪を抱く相手に対して「自分の影を投影している」パターンです。この「自分の影を投影している」という事はどういう事なのか、ここでは心理学者のユングの考え方を用いて紹介したいと思います。

ここで言う「自分の影」とは、自分も持っているけれど普段は隠していたり、気付かないふりをしていたりなど、自分にとって直視したくない不都合な側面の事を指しており、この「影」の事を心理学者のユングは「シャドウ」と提唱し、他人を嫌う心理に大きく関わると考えました。

つまり、自分が無意識に嫌って抑圧している部分を相手に投影してしまう事により、自らに感じる嫌悪が表面化してしまい、相手に対してこれといった明確な理由もないのに苦手意識を持ってしまったり、嫌いになってしまったりと、理想の自分が脅かされないように拒否反応が起きてしまうと考えられています。

同族嫌悪の心理②嫉妬心を抱いてしまう

嫉妬心

「同族嫌悪」の心理の2つ目は嫌悪を抱く相手に対して「嫉妬心を抱いている」パターンです。相手が同じ趣味や好きな物がある場合、自分の好きな物を奪われたくなかったり、無意識に優劣を付けてしまう事で嫉妬心や対抗心を抱いてしまい、相手に対して負の感情を持ってしまう事があります。

また、自分が欲しいと思っていても持っていない物や能力を相手が持っている場合に、羨ましさを感じると思いますが、それが単なる「憧れ」になれば良いですが、いわゆる「ないものねだり」状態になってしまうと、相手へのその嫉妬心が生まれて、それがそのまま相手への嫌悪感へと繋がってしまうのです。

この嫉妬心には、同族嫌悪だけに限らず生きていく上で色んなタイミングで遭遇しては苦しめられる感情の1つですが、下記の記事でも嫉妬心とその心理についてまとめられておりますので、よろしければこちらも参考に読んで見て下さい。

同族嫌悪の心理③日本人はこだわりの強い人が多い

「同族嫌悪」の心理の3つ目に挙げられるのが「日本人にはこだわりの強い人が多い」という事です。これはなぜかというと、好きな物が同じでも、その「こだわりの強さ」がある事によって下記のような事が起きる可能性が大いに考えられるからです。

例えば、同じものが好きだからと一緒に話しているうちに、自分が良いと思っている部分を相手は評価していなかったり、逆に自分があまり良く思っていない部分を相手は評価している事が分かったりしたとします。すると、自然と自分を否定されたような気持ちになり、相手に悪気がなくても苦手意識が生まれてしまうのです。

さらに、日本人にはこだわりが細かいだけではなく、強い人も多く、良く言えば日本人特有の「職人気質」とも言えますが、悪く言えばその分柔軟性に欠けるとも言えますから、こだわりによる同族嫌悪は日本人には多いと考えられるでしょう。

同族嫌悪を克服する方法は?

心理学で考える同族嫌悪を克服する方法①ありのまま自分を受け入れる

微笑み

これは主に自分の影を投影してしまっている人に効果的な考え方ですが、まずは「ありのままの自分を受け入れる」事を意識しましょう。そもそも、人間に良い面しか持っていない人なんてまず存在しないと言えますし、どんな人にも自分の嫌いな面があるのは当然なのです。

しかし、そう言った自分の嫌いな面を出さないように努力したり、見て見ぬフリをしてしまう人も多いと思いますが、そういう嫌な部分も含めて「自分は自分なのだ」と認める事が大事です。また、ありのままの自分の事を認める事を心理学では「自己受容」と呼び、同族嫌悪を克服するにはとても大事な心理となります。

勿論、自分の嫌な面を認めるのはすぐには難しいと思いますが、きちんと「自己受容」が出来れば他人に投影される自分の嫌な部分もおのずと許せるようになり、やがて自身の影による同族嫌悪を克服する事に繋がるのです。

心理学で考える同族嫌悪を克服する方法②逆手に取って成長しよう

次に、嫉妬心から来る同族嫌悪に対して効果的な考え方ですがこの嫉妬心を「逆手に取って成長しよう」という事です。まず、妬みや嫉妬が起きるそもそもの原因ですが、これは相手に対して感じる「劣等感」や「不安」により自分の心が傷つく事が原因だとでは言われています。

では、この劣等感や不安を解消するにはどうしたら良いかですが、それは自分を客観的に見る事が大事だと心理学では考えられています。なぜなら客観的になる事で自身の得手不得手を改めて整理し、自分が何に対して不安や劣等感を感じているのかをしっかりと把握する事で、自身の更なる成長を促す事が出来るからです。

そして、この成長により得られる自信こそが嫉妬や妬みを防ぐ力になります。そのため、嫉妬心による同族嫌悪を克服するには、まず自分が行動する事が大切と言えます。それでも、世の中にはどう頑張っても変えようのない事もありますが、そう言った事に対してはいつまでも悩まず、他の事でリカバリーする事を考えましょう。

心理学で考える同族嫌悪を克服する方法③こだわりの違いを受け入れる

最後にこだわりの強さから来る同族嫌悪に対して効果的な考え方ですが「こだわりの違いを受け入れる」という事です。まず「こだわりの強さ」というのは、その対象についての知識が深ければ深いほど強くなる傾向があります。例えば、料理人で食材にこだわりを持つ人がいるように、知識があってこそのこだわりと言えるのです。

そのため、職人の方にこだわりがなければ良い物が出来ないように、こだわりそのものを持つ事は悪い事ではありません。問題は他人のこだわりを受け入れる事が出来ずに強く拒絶したり、そんなつもりがなかったとしても「自分の考えこそが正しい」と、違う価値観の人に自分の価値観を押し付けようとしてしまう事にあるのです。

したがって、こだわりが原因で起きる同族嫌悪は、相手の「こだわりを受け入れる」事、また、こだわりそのものを受け入れる事が出来ないにしても「そういう考えもあるのか」と自分との「価値観の違いがある」という事実を受け入れる事が、この日本人だからこそ起きやすい同族嫌悪を克服する一番の近道と言えるのです。

同族嫌悪の類語・対義語は?

同族嫌悪の類語|近親憎悪

同族嫌悪の類語として「近親憎悪」がありますが、これは近親憎悪の言葉の通り親族などの近親者同志や、性格の似たもの同士が憎み合う事を意味する言葉になっています。特に後者は心理学的にもここまで記載したような「同族嫌悪」にとても似た意味を示していますが、ここでは前者についても少し説明していきたいと思います。

「近親憎悪」の言葉が表す通り、家族などの近親者に対して憎悪や嫌悪を感じてしまう理由ですが、それは血の繋がりや同じ環境に暮らしている事によって、家族の悪い部分が自分にもあるのではないかと不安になったり、自分の影を相手に投影しやすい状況である事が近親憎悪の原因であると考えられます。

また、近親憎悪の場合には関係を断つのも簡単ではありませんので、上記に記載した克服法を用いたり、それでは解決しないという場合には意図的に生活サイクルを変えて一緒にいる時間を減らしたりして、可能な限り距離を置く事も大事です。このような近親憎悪と向き合う場合は自身の心を守る事を優先して考えましょう。

同族嫌悪の対義語|同気相求

次に同族嫌悪や近親憎悪の対義語である「同気相求(どうきそうきゅう)」ですが、この「同気相求」という言葉は気の合う者同士が互いに求め合い、集まるようになる事を意味し、いわゆる「類は友を呼ぶ」という言葉とも似た言葉になっています。

例えば、インターネットが復旧している現代では海外の方でも開催している人が多いと思いますが、オタク気質な日本人の間では頻繁に行われている「オフ会」なんかはまさに「同気相求」の心理が働いていると言えます。

また「同気相求」で集まった場合には、当然同じ趣味があったり、気が合う人達が集まる事から共感を得られる事も多く、この「共感を得る」という事が心理学的にみても自己肯定感を強める事にも繋がり、お互いを高め合う事が出来る事出会いがある可能性もあります。

同族嫌悪と同属嫌悪の違いは?どちらを使うべき?

「同属嫌悪」の意味を知ろう

この「同属嫌悪」の意味は、「同じ趣味や性質を持つ人に対して頂く嫌悪感」を意味しています。では、「同族嫌悪」と「同属嫌悪」はどのような差があるのでしょうか。

まず「同属嫌悪」についてですが、この「同属」という言葉は「同じ種類に属する事」を意味しており、あとは「同族と同じ」と広辞苑には記載されています。すなわち「同属嫌悪」という言葉は「同族嫌悪」とほとんど差異がないのです。ただ、あえて差を付けるのであれば「同族」には血筋などの繋がりも含まれるという事です。

あえて言うなら「同族嫌悪」が一般的である

友達

それでは「どうぞくけんお」を漢字で表記する際に「同族嫌悪」と「同属嫌悪」のどちらを使うべきかと言いますと、「同族嫌悪」の表記の方が一般的となっております。

ただし、正しい表記については諸説ある事からどちらが正しいと断言する事も出来ないのが実情です。そもそも上記に記載した通り、「同属」でも「同族」でも言葉には大きな差はないので、どちらを使用したとしても間違いとは言えないのです。

同族嫌悪と上手に付き合って行きましょう

ここまで同族嫌悪について書いて来ましたが、心理学的に考えてみるとその原因も解決方法も大抵の場合が「自分」にある事が分かって頂けたと思います。その為、「理由は分からないけれど、なんだか気に食わない」という、理不尽な不快感を他人に感じた時は「本当の嫌悪の原因」がどこにあるのかを冷静に考えてみましょう。

そして、その理由が自分自身にある事に気付く事が出来れば、あとは自分の心持ちや行動次第で自己嫌悪による不快感はかなり軽減されると共に、自身を成長させるきっかけにもなると考えられます。ただし、「同族嫌悪」と向き合う事において一番大事な事は「どんな自分も受け入れてあげる事」だという事を覚えておいて下さい。

なぜなら、克服法には他人の意見を受け入れる事も記載しましたが、それが出来れば苦労しないという人もいると思います。そんな時はまず「受け入れる事が出来ない自分」を肯定してあげて下さい。無理をしなくても時間の経過や経験によって自然と解決する事もありますから、今はその時ではないのだと割り切る事も大切です。

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