大人女性向けのライフスタイルマガジン BELCY

CATEGORY

Large thumb shutterstock 506932969

ロシアの女性と男性の民族衣装・伝統衣装の特徴は?サラファン/ルパシカ

更新:2019.06.21

ロシアの女性の民族衣装であるサラファンをご存知でしょうか。ふわっとしたブラウスに、刺しゅうがたっぷり施されたドレスです。同じく伝統衣装で男性のものはルパシカと言います。独特なデザインの帽子と合わせてとっても可愛いですよね。それらの歴史や特徴についてまとめました。

ロシアの女性の民族衣装サラファンの歴史と特徴は?

ロシアの民族衣装サラファンの歴史

サラファンとはロシアを代表する民族衣装です。ロシアの民芸人形として有名なマトリョーシカも着用しているので、見たことのある方は多いですよね。12世紀頃のロシアでは一般農民等が性別年齢を問わず幅広く着用していた普段着のことで、その頃のサラファンの特徴は足先まである長いのローブでした。

西暦1721年に即位した、初代のロシア皇帝ピョートル一世がロシアの西欧化に力を入れていたのは有名ですが、その中の服装令の影響で、ロシア貴族の女性はサラファンを着用することが出来なくなりました。それ以来サラファンはロシア女性の服として、主に庶民階級の女性が日常着として身に着ける民族衣装となりました。

ロシアの女性と言えば、美人が多いイメージがありますよね。色鮮やかなサラファンもとっても似合うでしょう。なぜこんなにロシアの女性に美人が多いのかをまとめた記事がありますので、こちらも見てみてくださいね。

RELATED ARTICLE

ロシアの民族衣装サラファンの特徴

17世紀以降はロシア女性の民族衣装としてすっかり定着したサラファンですが、その頃のデザインの特徴はふんわりしたブラウスに、足がすっぽり隠れる長さのジャンパースカートを重ね着したスタイルでした。またサラファンに使われる素材や装飾によって、着る人の社会的地位や資金力を表していました。

庶民階級の女性が日常的に着用していたサラファンの特徴は、贅沢な素材は使えないため特に装飾もない地味な色合いのウールや麻など質素な素材でした。現在まで残されているような煌びやかなサラファンは、商人などの資金力のある階級の人々がシルクや毛皮を使って、金糸で刺しゅうなど贅沢な造りをしたものです。

このような高価なサラファンは、代々娘たちへと継承されたため現在まで残ることが出来たのでした。ウールやシルク素材の上に毛皮で縁取られたサラファンを着れば、寒いロシアでも暖かそうですよね。

ロシアの民族衣装での花嫁衣装は赤いサラファンが定番

ロシア人なら誰もが知っているロシア民謡「赤いサラファン」では、結婚に乗り気でない娘と、その娘の婚礼衣装として美しい赤いサラファンを仕立てる母親の会話が歌となっています。1800年代の作曲家ヴァルラーモフによるもので、ロシアを代表する民謡のひとつとなりました。

この歌からも分かるように、花嫁は赤いサラファンを着用することが人気でした。真っ赤なカリンカという植物の実を、若く可愛らしい花嫁に見立てるなど、ロシアでは赤色が花嫁の象徴だったのです。日本だと花嫁と言えば白色を連想しますが、その国の伝統によって異なるのは興味深いですね。

マトリョーシカも可愛い模様のサラファンを着用

ロシアのお土産としても大人気の民芸人形「マトリョーシカ」は日本でもほとんどの人が知っているほど有名ですよね。人形の胴体部分で上下に割れて、中からまた人形が出てきて、その人形の中にもさらに小さな人形が入っているという、とても特徴のある人形です。

そんなマトリョーシカのスタンダードなデザインは、頭にスカーフを巻き、ロシアの民族衣装サラファンを身に着けた女性像となっています。歴史は意外にも浅く、19世紀後半頃から製造され始めました。現在ではサラファン以外の衣装を身に着けたマトリョーシカや動物モチーフにした人形等も作られています。

ロシアのお土産として大人気のマトリョーシカですが、他にはどんなお土産が人気なのでしょうか。それらをまとめた記事がありますので、こちらも参考にしてみてくださいね。

RELATED ARTICLE

ロシアの男性の民族衣装ルパシカの歴史と特徴は?

ロシアの伝統衣装ルパシカの歴史

ロシアの伝統衣装で、男性が着用するブラウスがルパシカです。くびれなどなくゆったりと被るタイプのプルオーバーのような形をしている事が特徴のブラウスです。男女兼用でも着用できそうデザインですね。19世紀のロシア文学を代表する作家であるトルストイが着用していたことから、日本でも認知されるようになりました。

トルストイの著作物の中では「戦争と平和」は有名ですよね。非暴力主義者として社会に大きく影響を与えたトルストイですので、彼を支持する社会運動家たちはその象徴としてルパシカを着用している人が多かったようです。そのため、ルパシカを着用しているとトルストイ派だと思われていた時代がありました。

ルパシカは男性の伝統衣装としてだけではなく、帝政ロシア時代の軍服としても広く着用されていました。しかし1917年から始まったロシア内戦の時代に、帝政ロシアを打ち破る事を名目に、旧ロシア体制の象徴的なルパシカの軍服は徐々に廃止されていきました。軍服で使われなくなってからは普段着として着用されました。

ロシアの伝統衣装ルパシカの特徴

ロシア男の伝統衣装であるルパシカは、首元は立ち襟でやや左よりに前開きがありそれを縁取るように刺しゅうが施されていることが特徴です。ゆったりと長めの上衣で、ブラウスの裾はズボンには入れず外に出し、その上から腰ひもでウエストを締めます。腰ひもは細いものから太いものまで様々なデザインがあります。

女性の民族衣装サラファンと同じように裾にもロシア風の刺しゅうがされています。もともとは農民が日常着として着用していたことから、素材は簡素で麻や木綿が使われているのが一般的でした。寒いロシアですから、中にはウール製の温かいものもありました。

ロシアの伝統衣装ルパシカは大正時代の日本でも着用

なんと大正10年からロシアパンを製造している洋菓子・パン屋の老舗をご存知でしょうか。現代ではお菓子だけでなくカレーも美味しくて有名な「新宿中村屋」です。

当時ウクライナからやってきた従業員であるエロシェンコという男性が日常的にルパシカを着用していたことから、中村屋の制服にルパシカが採用されました。この肖像画の男性がエロシェンコ氏です。

エロシェンコ氏と中村屋の制服の影響もあって、大正自体の日本にルパシカというロシア伝統衣装が広く知られるようになり、ロシア料理であるボルシチやピロシキもレストランで提供されるようになったのですね。当時中村屋の制服となったルパシカは、東京でとても話題になっていたようです。

ロシアの民族衣装に合わせて被られていた帽子・飾りは?

ココシュニックはロシア女性の頭飾り

ココシュニックとは中世ロシア女性の伝統的な頭飾りのことです。その特徴はまるで孔雀が羽を広げたような半円形の土台に、宝石やレースや刺しゅうで装飾されています。その上からシルクやウールのベールがかけられたデザインです。もともと髪を隠す目的があったので、ベールは髪の長さによって調整されていました。

ベールはとても薄く、そこへ金糸でふんだんに刺しゅうがされた豪奢なもので、肩から背中まで垂らしていました。このように高価なココシュニックは年に数回の大切な時にだけ着用する特別な頭飾りでした。ロシアの民族衣装サラファンと素材を合わせて着用されていました。

ココシュニックの中でも煌びやかな装飾がされた高価なものは日常使いが出来ないため、普段の女性たちはもっと簡素な柔らかいもので髪を覆っていました。豪華なココシュニックは結婚式等の特別な日の、最上級のお洒落だったのですね。

ココシュニックの歴史

9世紀から13世紀頃の古代ルーシ時代と呼ばれていた中世のロシアでは、帽子は男性が被るものとされていたため、女性が帽子を被る習慣がありませんでした。しかしその時代は、既婚女性は髪を隠さなくてはならないという風習がありました。

そこで既婚のロシア女性たちは、やわらかい布で出来たココシュニックの原型のような形の被り物をしてその上からベールをかけて髪を隠しました。そしてそのベールを固定させる半円形の固い土台に装飾するという、ココシュニックの特徴がロシアで民族衣装として流行していったのでした。

ロシア王室の女性の肖像画を見ると、民族衣装と共にとても豪華で煌びやかなココシュニックを身に着けていることに気付くでしょう。金銀や高価な宝石を惜しみなくあしらったココシュニックは、富の象徴でした。それはピョートル一世の西欧化対策のひとつである服装令が出されるまで、サラファンと一緒に親しまれていました。

男性用のロシア帽子と言えばウシャンカ

ロシアの民族衣装の帽子と言えば、おそらく多くの人が毛皮のふわふわした四角い帽子を思いつくのではないでしょうか。ウサギが耳を垂らしたように耳当てが付いており、「耳当て」を意味するロシア語でこれらの帽子のことを「ウシャンカ」と言います。耳当てが不要な時は頭の上に折り畳んでおくことも出来ることが特徴です。

ウシャンカは軍帽として初めに採用されたのは1917年から始まったロシア内戦時代と言われています。途中フェルト製の帽子にその座を奪われましたが、寒さのあまり凍死する兵士が大勢いました。そこでウシャンカの温かさや機能性が見直され、現在でも冬季装備として着用されるようになりました。

極寒の冬のロシアでも暖かいよう、内側は羊毛皮で外側は天然の毛皮と使うなどしてとても実用的な造りです。現代でも日常使いできるほどお洒落なデザインであるため、伝統衣装のルパシカと一緒にコーディネートしてもとても格好良いですね。ロシアの街で見かける警備員の制服にも採用されています。

民族衣装サラファンとルパシカは現在まで残るロシアファッション

ロシアの民族衣装・伝統衣装であるサラファンとルパシカは、中世のロシア女性と男性の生活の中で地元に根付いたものでした。その特徴のある可愛い模様やデザインと機能性は現在でも色褪せることなく、ファッショナブルに着こなせるものですね。帽子はロシアに旅行に行った際の人気のお土産にもなっています。

民族衣装・伝統衣装が現在まで残るには実用性とファッション性が素晴らしいからこそです。日本にもロシア民族衣装のファンは多く、通信販売で購入してロシア式ファッションを楽しむ人も多いようです。ウシャンカは日本の冬にも実用的ですよね。もしこれらの衣装を売っているのを見かけたら、ぜひ試してみてくださいね。

  • ●商品やサービスを紹介いたします記事の内容は、必ずしもそれらの効能・効果を保証するものではございません。
     商品やサービスのご購入・ご利用に関して、当メディア運営者は一切の責任を負いません。