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万年筆の寿命と修理するタイミングは?ペン先の交換方法・メンテナンスも

更新:2019.06.21

愛用し続けていた万年筆のペン先の不具合はどうにかして修理したいものです。実は壊れたと思っていた万年筆も部品交換や修理でまた快適に使える状態に戻るかもしれません。不具合が起きた時の対処法や壊れない為のメンテナンス方法まで詳しく見ていきましょう。

万年筆の寿命と修理すべきタイミングは?

万年筆の寿命は修理次第で50年以上であることも

「万年筆の書き心地が最近悪くなった」と感じてこの記事を読んでいる方も多いかもしれません。何十年も愛用することができる「万年筆」ですが、実は万年筆にも寿命があります。それは万年筆全体の劣化ではなく「ペン先」の劣化が原因で、修理・交換をすれば直る場合がほとんどです。

万年筆が高級である理由の一つといて、ペン先にほとんどの場合「金」が使われていることがあげられます。大体の場合は14金・18金・21金という表示がされています。金が使われている理由としては、万年筆のインクが酸性であるためです。そして、他にも様々な繊細なパーツを組み合わせて万年筆はできています。

その中の一つとして「ニブ」というペン先の先端に溶接された丸い金属「イリドスミン」の劣化が万年筆の寿命に大きく作用しています。「イリドスミン」はダイヤモンドの次に固い素材だと言われるほど頑丈ですが、ペンポイントが機能しなくなると万年筆も機能しなくなり、修理・交換が必要となるのです。

万年筆を修理・交換すべきタイミング

修理すべきタイミングにはさまざまな状況が考えられます。代表的なものでいうと「インクが漏れる」「文字が書けない」「途中で字が切れる」などがあげられるでしょう。その場合は自分で無理に直そうとして壊してしまう前に、修理に出すことをおすすめします。

またインク詰まりが起こった際にどうしてもペン先を紙などに押しつけてしまいがちですが、それをすることでペン先が開いてしまい、インクがペン先まで届かなくなってしまいます。そうなってしまうと自分で直すことは不可能なため必ず修理や交換が必要となってしまいます。

最後に「万年筆を落としてしまった」「万年筆のペン先が曲がってしまった」という場合も修理が必要となるでしょう。ペン先が使えない程壊れてしまったとしても修理すれば再度使えるようになることも多いので、諦めず修理を試みることをおすすめします。

万年筆の修理を行っているお店4選

①川窪万年筆店

川窪万年筆店は1995年から国内初、そして世界でも3番目の万年筆専門ネットショップを開始した万年筆の販売・修理・調整を行うお店です。川窪万年筆店の歴史はとても長く、万年筆専門ネットショップを始める前も昭和元年から現在に至るまで技術の継承が行われてきました。

文豪が愛した町として有名な東京都文京区千石にお店を構えており、直接修理に出すことも可能です。大切な万年筆も、代々続く歴史ある万年筆店だからこその丁寧な技術で美しく蘇らせることができます。

②萬年堂

萬年堂は、岐阜県大垣市に店を構える筆記具専門店です。パイロット・ペリカン・パーカー・ウォーターマン・モンブラン・ラミー・クロス・プラチナ・セーラーなど数多くのブランドに対応することができるお店です。郵送で修理に出すことも可能であるため、とても便利です。

また自分に合った万年筆をネットや店舗で購入することもできますし、万年筆の基本的な使い方など知っておきたい知識をしっかりと伝授してくれるお客様思いのお店です。

③筆記具工房

筆記具工房は、埼玉県川口市にお店を構える万年筆を始め、ペンシル・ボールペン等の筆記具全般の修理・製作専門のお店です。筆記具工房の特徴としましては、万年筆の修理・交換はもちろん、寿命が来てしまったパーツ等を作る事も可能です。その為、「万年筆製作の技術を活かした修理」という特別な技術が期待できます。

また製作も行っていることからオリジナルの筆記用具を作ることも可能です。万年筆の修理後、あなただけの万年筆を筆記具工房で作ってみてはいかがでしょうか。

④ユーロボックス

ユーロボックスは、東京都中央区銀座にお店を構える万年筆専門店です。こちらのお店には「ヴィンテージ万年筆を安心して使っていただきたい」という開店から引き継がれるモットーがあり、1910年以降のヴィンテージ万年筆にも修理・交換の対応をしています。

また特徴としてペリカン・モンブラン・パーカー・オノト(デ・ラ・ルー)・蒔絵万年筆などのヴィンテージ万年筆や限定万年筆も常時店頭に揃えられており、万年筆好きの方にはぜひ訪ねていただきたいお店の一つです。

「文字はその人を表す」と言われるほど深く心や性格と繋がる「字」についてみていきましょう。気になる方は参考にしてみてください。

自分で万年筆のペン先(ニブ)を交換する方法は?

メーカーにより異なるメンテナンスの難易度

自分で万年筆のペン先を交換することは可能です。ですが、そのメンテナンスの難易度は各万年筆によって変わってくるため素人では交換できない万年筆も存在します。その為、ペン先がなかなか簡単に外れないなど修理が難しいと判断した場合は、専門店に修理を依頼することをおすすすめします。

何十年と使える優れた技術が詰まっている万年筆は、同様にとても繊細な筆記具です。少しのズレによりインクがでなくなってしまうこともあるため、慎重にメンテナンスを行いましょう。

自分で万年筆のペン先(ニブ)を交換する簡単な方法

自分で万年筆のペン先(ニブ)を交換する方法は、まずはじめに「汚れてもいいタオル・万年筆・新しいペン先」を用意します。次に万年筆に溜まっているインクを抜きましょう。インクが入った状態でもペン先を立てることで交換はできますが、安全に交換したい場合は必ず万年筆からインクを抜いてから作業を行いましょう。

次に、ペン先を外します。その際片手でペン先を持ち、反対の手でボディ部分を半時計回しに回します。すると、ペン先をボディ部分から外すことができます。そして最後に、新しいペン先を取り付けます。これで一連の作業は終了です。

新しいペン先ではなく、ペン先を掃除して再度使いたい場合も同じ手順で行うことができるでしょう。この流れに沿って行うことで、自分で万年筆のペン先を交換することが可能です。

万年筆を修理せずに済む使い方・メンテナンス方法は?

カートリッジ・コンバーター式のメンテナンス方法

カートリッジ・コンバーター式の万年筆をメンテナンスする際に必要なものは「万年筆・水の入ったコップ・タオル」です。メンテナンスの際、洗剤や熱湯などを使うことはやめましょう。変形や樹脂が溶け出す可能性があります。では手順を確認していきましょう。

カートリッジ・コンバーター式のメンテナンス方法は、まず始めに胴とペン先のついた首軸を外します。その時にカートリッジ・コンバーターも抜いておいてください。次にコップに水を入れペン先のついた首軸をしっかり沈めます。この状態で一晩置いておくと効果的です。

次にペン先に向けて水を通して洗います。この時、インクと水が混ざらなくなるまで水を通してください。タオルで水気をふき取り、一日かけて乾燥させます。カートリッジ・コンバーター式のメンテナンス方法は以上です。

吸入式のメンテナンス方法

吸入式の万年筆をメンテナンスする際に必要なものは「万年筆・水(またはぬるま湯)の入ったコップ・汚れてもいいタオル」です。カートリッジ・コンバーター式と同様、吸入式の万年筆をメンテナンスする際も洗剤や熱湯は使用しないでください。では手順を見ていきましょう。

吸入式のメンテナンス方法は、まず始めに水またはぬるま湯が入ったコップを用意します。次に万年筆のペン先全体を水に浸します。そしてペン先全体を水に浸したまま、万年筆のお尻の部分を回します。この状態で何度か水を吸い込ませたり吐き出したりする作業を繰り返します。

何度か水を交換しながら作業を繰り返し、水がインクで濁らなくなれば清掃は完了です。そして最後に用意しておいたタオルで水気を拭き取ります。その後一日ほど万年筆を乾かせばメンテナンス作業は終了です。以上が吸入式のメンテナンス方法となります。

万年筆はペン先の修理・交換次第でまだまだ愛用できる!

人生を共に歩むことができる万年筆。しっかりとメンテナンスをしてあげることで、50年以上の時を一緒に過ごすことができます。もう壊れて使えないと思っているあなたの万年筆や祖父・父が使っていた歴史深い万年筆も、修理や部品を交換してあげるだけでまだまだ愛用できる可能性があります!

使えば使うほど「あなた仕様」に形を変化させる趣深い万年筆を、すぐに捨ててしまうのではなく是非新しく生き返らせましょう!また新しい十年を共に過ごせるパートナーになるかもしれません。

万年筆と同様、趣を感じさせる筆ペンで書く日本語。いざという時に上手く書けると一目置かれること間違いなしです。気になる方はぜひ参考にしてみてください。

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