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「鑑みる」(かんがみる)の意味

「鑑みる」=何かと比較して考えること

比べる

「鑑みる」(かんがみる)とは、何かと比較して考えるという意味です。そもそも“鑑”(かがみ)という漢字には、手本や模範という意味があります。例としては、「リーダーの鑑」「武士の鑑」などと言いますね。

そこから派生して、「何かと比較して考える」という意味になったと言われています。「周りの人と比較して考えると、彼はリーダーとして優れている。彼はリーダーの鑑だ。」なんて文を考えるとイメージしやすいのかもしれません。

この例文で「鑑みる」という言葉を使うならば、「鑑みる」=「比較して考える」なので、「周りの人に鑑みると、彼はリーダーとして優れている。彼はリーダーの鑑だ。」となります。

「鑑みる」=何かと照らし合わせる

照らし合わせる

何かと比較して考える、という意味からの派生ですね。「鑑みる」という言葉には、「何かと照らし合わせる」という意味もあります。

「照らし合わせる」という行為は、「比べる、比較する」と同じ行為と言えるでしょう。実質同じ意味ですが、派生の意味も明記しておいた方がわかりやすいかもしれませんね。

「鑑みる」は敬語として使える?

「鑑みる」は敬語として使えます

まる

「鑑みる」は敬語表現として使える、と言えるでしょう。元々の表現は、上記のとおり「比較して考える」「照らし合わせて考える」です。

しかし「鑑みる」を敬語表現として使う際、注意が必要です。実は現代社会において、この「鑑みる」という言葉について誤用が多く、それに気付かないまま使っている人も多いのです。

間違っている例としては、「状況を鑑みて行動する。」間違っている点は「“を”」なのですが、どう間違っているのかは、後の『「鑑みる」を使うときの注意点』で解説します。

他の敬語と併用しやすい

いっしょ

他の敬語と併用しやすい、というよりは、「鑑みる」なんて単語を使う文章、会話では自然と敬語になるというものです。日常生活では「鑑みる」なんて言葉は、ほぼ使いませんよね。

「鑑みる」という言葉は主に、ビジネスの場で使われるのではないかと思われます。または、ビジネスの場でないなら、自分の意見を求められているとき。

自分の意見を述べるときに使うのもあり得なくはないでしょうが、それにしたって他の敬語が一緒についてくるでしょう。ましてやビジネスの場で敬語は必須です。「鑑みる」を使おうと意識していれば、自然と他の敬語も引き出せるかもしれません。

「鑑みる」の正しい使い方と例文

「鑑みる」の使い方①:先例に鑑みて

ビジネス

「先例に鑑みて、この件は改善の余地があると思います。」ビジネスで、こんな発言をする時があるかもしれません。まだなくても、いつかきっと来る、かも。この例文を、ちょっと解説してみます。

例文の「“先例に鑑みて”」をかみ砕いてやさしい言葉に言い換えると、「“先例と比較して考えると”」「“先例に照らし合わせて考えると”」といった表現、意味になります。なのでやさしい言い方なら、「先例に照らし合わせて考えると、この件は改善の余地があると思います」となります。

「鑑みる」の使い方②:他社に鑑みて

ビジネス

「他社に鑑みて、こちらの案を採用するべきと思われます。」これも同じように、「“他社と比較して考えると”」と言い換えられるので「他社と比較して考えると、こちらの案を採用するべきと思われます。」となります。

難しい言葉なので例文からして小難しいですが、ビジネスの場でこんな風に使えたら一目置かれるかもしれません。習得できるようにがんばってみましょう。

「鑑みる」の使い方③:前任者の失敗に鑑みて

失敗

「前任者の失敗に鑑みて、新たな案を考えるべきだと思います。」この例文も、前の文と同じように「“鑑みて”」の正しい用法と言えるでしょう。

この例は「前任者の失敗を反面教師として」というような意味になっていますね。この場合も「前任者の失敗“と比較して”」または「前任者の失敗“に照らし合わせて考えて”」いるので、「鑑みて」を使える文になっています。

「鑑みる」の使い方④:状況の深刻さに鑑みて

深刻

「状況の深刻さに鑑みて、事態は悪化していると言える。」この文も、「鑑みて」という言葉が使える文章になっています。この場合比較対象は何かわかりますか?

正解は「通常の深刻ではない状況」とでも言えば良いでしょうか。「通常の状況と今の深刻な状況を比較すると、事態は悪化している。」とかみ砕けばわかりやすいかもしれません。

「鑑みる」を使うときの注意点

「鑑みる」を使うときの注意点①:“~を”は間違い

間違い

『「鑑みる」は敬語として使える?』の項で先述したとおり、「鑑みる」という言葉の誤用について。実は現代社会において、この「鑑みる」という言葉について誤用が多く、それに気付かないまま使っている人も多いのです。

ずばり言うと、「“~を”鑑みる」は誤用です。「“~を”鑑みて」などとよく聞くとは思いますが、実はこれ、間違っています。正しくは「“~に”鑑みる」です。

「鑑みる」を使うときの注意点②:“~を”は何故いけないのか

何故

「“~を”鑑みる」は誤用だと言いましたが、それは何故なのか。答えは、「鑑みる」という単語が「“照らし合わせて考える”」という意味を持っているからです。

どういう意味かというと、「鑑みる」とは、あくまでも「“~に”照らし合わせて考える」という意味の言葉です。それはつまり、「鑑みる」という言葉を使う際は、必ず比較対象が必要ということになります。「先例“を”鑑みる」の場合、これは先例についてしか考えていないような言い回しになってしまいます。

要するに、比較対象がないのです。本来「先例を今の例“に”照らし合わせ考えると」と言いたいので「先例“に”鑑みる」でなければいけないのです。「鑑みる」という言葉は比較対象が省略されることが多いために、「“~を”」を使いたくなったり、難しく感じてしまったりするのです。

「鑑みる」を使うときの注意点③:何故“を”が蔓延しているのか

どうして

何故“~を鑑みる”が蔓延しているのかといえば、恐らく“~を考える”、“~を考慮する”が混同しているためだと思われます。「鑑みる」の意味が「~と比較して“考える”」であり、「考える」「考慮する」と似ているために混同して“~を鑑みる”が蔓延しているのだと考えられるでしょう。

ここで忘れてはいけないのが、「鑑みる」はあくまでも比較対象を必要とする言葉だということです。「考える」はそのものについて考え、「考慮する」も同じ意味ですが、こちらはいろいろな部分や面を視野に入れて考えるという意味です。「鑑みる」も同じような意味なのですが、こちらはあくまで「比べて考える」のです。

「鑑みる」の注意点を踏まえてもう一度正しい例文を紹介



「鑑みる」の正しい使い方①

ビジネス

「先例に鑑みて、この件は改善の余地があると思います。」前項で既に解説しましたが、この「鑑みて」の比較対象は「“先例”」と「“今の例”」です。

「鑑みる」という言葉は、「~に照らし合わせて考える」という意味の言葉です。この場合「先例を今の例“に照らし合わせて考える”と」と言いたいので「先例“に”鑑みる」となります。「鑑みる」本来の「照らし合わせる」という部分が大切です。

「鑑みる」の正しい使い方②

ビジネス

「他社に鑑みて、こちらの案を採用するべきと思われます。」これはわかりやすい例でしょうか。比較対象は「他社」と「自社(自分の会社)」です。

「他社を自社“に照らし合わせる”と」となるので、「他社“に”鑑みて」となるのです。比較対象がはっきりしていれば、何故“を”がいけないのか考えやすいですね。

「鑑みる」の正しい使い方③

ビジネス

「前任者の失敗に鑑みて、新たな案を考えるべきだと思います。」この場合の比較対象は「前任者の失敗(した案)」と「(現在出ている案)」です。これはかなり難しい比較かもしれません。

現在出ている案が文中に全く登場しないので、比較対象がないから「鑑みる」が使えないのでは?と混乱するかもしれません。しかしながら、よくよく本質を見ていくと、前任者の失敗した案と、現在の案が比較されていることがわかってきます。

「前任者の失敗を現在の案に照らし合わせて考えると、新たな案を考えるべきだと思います」となるため、例文のように「前任者の失敗に鑑みて、新たな案を考えるべきだと思います」と落ち着くのです。

「鑑みる」の正しい使い方④

悪化

「状況の深刻さに鑑みて、事態は悪化していると言える。」これは既に解説していますが、比較しているのは「現在の深刻な状況」と「深刻ではない通常の状況」です。

冒頭が「状況の深刻さ」という言葉なので比較対象を見つけるのが難しいかもしれませんが、意味合いを考えれば見つけられないことはない筈です。

「現在の深刻な状況を、深刻ではない通常の状況に照らし合わせて考えると、事態は悪化していると言える。」となるため、「鑑みて」という使用法はOKです。

「鑑みる」の類語

「鑑みる」の類語と意味①:~を考慮する

考慮

“~を鑑みる”は誤用だという話の中で、“~を考慮する”という言葉が出てきました。先述したとおり、混同されるということは意味が似ているということです。なので、「鑑みる」と「考慮する」は類語だと言えるでしょう。

またこれも先述したとおり、「考える」も類語と言って良いでしょう。「鑑みる」が使えるかどうか、“~を鑑みる”なのか“~に鑑みる”なのかわからなくなったときは、「考える」と言葉を変えた方が無難でしょう。

「鑑みる」の類語と意味②:参考にする

参考

「先例に“鑑みて”」は「先例を“参考にして”」と言い換えられなくもないです。同じように、「他社に“鑑みて”」は「他社を“参考にして”」、と言い換えられなくもないかと思います。

「先例と比較し、先例を参考にして」または「他社と比較して、他社を参考にして」となります。「鑑みる」の意味である“~と比較する”というのは、「参考にする」と通ずるところがあると言えるでしょう。

「鑑みる」の類語と意味③:~を踏まえる

踏む

例文3つ目の、「前任者の失敗に鑑みて、新たな案を考えるべきだと思います。」ですが、この例文には「踏まえる」という言葉が使えるでしょう。

「前任者の失敗を踏まえて、新たな案を考えるべきだと思います。」こうやって言い換えると、同じようなニュアンスで伝わると思いませんか?

ちなみに、“踏まえる”という言葉の意味を調べると、“考慮する”と出てきます。“考慮する”は「鑑みる」の類語ですから、“踏まえる”が「鑑みる」の類語でも不思議ではありませんね。

「鑑みる」の類語と意味④:念頭に置く

置く

「前任者の失敗に鑑みて、新たな案を考えるべきだと思います。」は、「前任者の失敗を念頭に置いて、新たな案を考えるべきだと思います。」と言い換えても、違和感はないでしょう。

またこの「念頭に置く」も、意味の中に「考える、考慮する」が入っています。なので、「鑑みる」の類語でも不思議はありません。

「鑑みる」の類語と意味⑤:顧みる

顧みる

かえりみる、と読みます。顧みるとは考えるという意味の言葉で、何度もこの例を使いますが「前任者の失敗を顧みて」というように使います。

もちろん、「先例を顧みて」などにも使えるかと思います。「状況の深刻さに鑑みて」の場合は、「状況の深刻さを顧みて」ですね。

「鑑みる」の類語と意味⑥:振り返る

振り返る

「~に鑑みて」という言葉は、「~を振り返り」とも言えるでしょう。「前任者の失敗を振り返り」と言い回しを変えても違和感はない筈です。

また「振り返る」の意味として、「体をねじるようにして後ろを向く」以外の意味では「顧みる」が登場します。「顧みる」は「鑑みる」の類語ですし、似たような言葉はたくさんありますね。

「鑑みる」の類語と意味⑦:回顧する

思う

過去を思い出す、過去を振り返る、顧みるなどという意味を持つ言葉です。全ての言葉が同じような意味の言葉でつながっているのを見ると、日本語の奥深さを感じますね。

「先例を回顧し」、「失敗を回顧して」などと言えなくもないかと思います。ただやはりここまで来ると、「鑑みる」本来の“比較する”要素が減ってきているのを感じます。

「鑑みる」を使ってみよう!

少しは参考になりましたか?改めて考えてみるとかなり難しい言葉だな、と感じた人もいるかもしれません。しかし、理解して使うことができれば、一目置かれる存在になれるかもしれません。

「~と比較して考える」「~に照らし合わせて考える」という意味の敬語表現ですが、他の敬語も交えて会話することができればかっこいいですね。ぜひ挑戦してみてください!

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