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プルースト効果の具体例

かつて大好きだった「あの人」を思い出す

過去の恋人

例えば街角で誰かとすれ違った時。ふわっと残った香水の匂いで、かつて大好きだった「あの人」を思い出して、少し胸が痛くなったり…。

20~30代の男女の約半分が「匂い」によって元カレ、元カノを思い出すそうです。脳はかつての恋愛におけるトキメキを映像よりも匂いで記憶しているからです。

無邪気だった「あの頃」を思い出す

子供の頃

例えばレストランで食事している時。何気なく注文した料理の匂いで、「あの頃」を思い出して、無邪気だった自分と今の自分を比べたり…。

昔、よくお母さんやおばあちゃんが作ってくれた料理の匂いで、ふと子供の頃を思い出したりもしますよね?大人になるとつい忘れてしまうことも、きちんと胸の奥には残されているものです。

プルースト効果とは??記憶の謎に迫る

名称の由来

小説

プルースト効果とは、フランスの文豪「マルセルプルースト」の作品「失われた時を求めて」のワンシーンが名称の由来です。主人公が紅茶にマドレーヌを浸し、その匂いを嗅いだ瞬間、幼少期がフラッシュバックするという描写が元になっています。

余談ですが、「失われた時を求めて」は1冊約500ページの文庫で全10巻の超大作です。筆者は持っていますが内容もかなり難解で、読破するのに数年かかりました。気力体力がフル充電していないと、読破は困難なのでご注意ください。

意味

匂い

ある特定の匂いが、それに関係している記憶を誘発することを意味しています。何気なく鼻に入った匂いで、過去の記憶が唐突に蘇ったことって誰にでもありますよね?何の脈絡もないこと、忘れていたことでさえも、突然鮮やかにフラッシュバックして、少し切なくなったり、やさしい気持ちになったり…。

それら全てが「プルースト効果」と呼ばれる心理現象です。プルースト効果は「記憶」という脳の活動における重要な役割を担っているので、かなり以前から医学的に研究されています。それでも、まだまだ脳の活動ははっきりとは解明されていないので、プルースト効果の検証はかなり大きな価値があるようです。

記憶のメカニズム。プルースト効果の正体その1

記憶にも種類がある??

記憶

プルースト効果によって瞬時に蘇る「記憶」ですが、この「記憶」というものにもいくつか種類があります。確かによくよく考えてみると「記憶」って不思議ですよね?他愛もないことは覚えてるのに、大事なことを忘れていたり…いつも通る道で必ず見ていたはずなのに、取り壊されてると何が建っていたか思い出せなかったり…。

脳は得た情報を、大きく分けると三種に分類して記憶しているそうです。学者によって分類の方法は異なるようですが、概ねこの三種類が一般的とされています。厳密にはかなり専門的なので、簡略化して紹介したいと思います。

感覚記憶

外部から受けた刺激を1,2秒ほど、瞬間的に保持している記憶。無意識なので「思い出」にはなりません。ただし、意識的に注意を向けた「刺激」は短期記憶として保持されます。

短期記憶

数秒から数十分の時間だけ保持できる記憶です。何もしなければ時間の経過とともに忘れてしまいますが、例えば心の中で何度も唱えたりなど、意識的に努力することによって長期記憶となります。

長期記憶

年単位、もしくは一生涯残される記憶です。この長期記憶を忘れる理由はいまだ謎が多いようですが、定説では「時間の経過」よりも「他の情報との干渉」によるものとされています。例えるなら英単語を勉強していて、次の日数学を勉強したら英単語を忘れてしまった、ということですね。…長期記憶恐るべし、ですね…。

脳と記憶の関係性。

勉強

脳のメカニズムはまだまだ不明な点が多いのですが、もちろん長年の研究によって明らかになっていることもあります。記憶に関しての研究はかなり以前から行われていて、脳がどのようにして記憶を保持するかは、概ね明らかになっています。

全ての記憶は海馬(かいば)と呼ばれる部分にコントロールされています。ここを通じて記憶は感覚、短期、長期などに分類されていくのですが、海馬は非常に繊細なので、鍛えなければすぐに仕事をしなくなるそうです。すると新しい情報を記憶することができなくなります。

昔のことは覚えていても最近のことが思い出せないのは、この「海馬」が消耗、破壊されているからです。かつて脳は、成人すると成長を止め退化していくと言われていたのですが、最近の研究で、きちんと脳を使えば年齢に関係なく海馬は成長することが明らかになっています。使えば使うほど頭が良くなるのは本当なのですね。

匂いは記憶に影響する。プルースト効果の正体その2

匂いは感情に直結する??

香水

匂いによって過去を思い出す小説のワンシーンが「プルースト効果」と名付けられるほど、匂いと脳は深く繋がっています。この繋がりは医学的に充分に解明されているようです。

匂いというものは他の感覚と違い「大脳辺縁系」と呼ばれる部分に直接届くことが判明しています。この「大脳辺縁系」という言葉は一般的には馴染みがありませんよね。簡単に言えば、ここは人間の本能や感情をコントロールする場所です。その場所に直接届くということは…。

最も感情を刺激する感覚が、匂いと言うことができます。記憶という箱を一瞬で開けてしまうほど強烈な刺激です。プルースト効果はまさにこの感情の刺激を表しているのですね。

匂いによって蘇る記憶の謎

恋人

長年の研究により脳と記憶の関係が明らかになり、さらにプルースト効果の研究により、匂いと脳の繋がりも解明されています。その結果、匂い、脳、記憶の三つはかなり密接に関係していることもはっきりと分かっています。

「大脳辺縁系」と呼ばれている脳の部分には、記憶を司る海馬と、感情を司る偏桃体があります。プルースト効果によって蘇った記憶は「長期記憶」として保持されているということです。そして「長期記憶」になりえた情報は、過去になんらかの刺激(感情)を受けていたということでもあります。

昔の恋人をプルースト効果によって思い出すのは、感情として恋愛は非常に強いので、偏桃体と海馬がものすごく仕事をして「長期記憶」として昔の恋人を箱に保管しているからです。普段はその箱には蓋がされていますが、そこにダイレクトに特定の匂いが届くと一瞬でその蓋が開く、というのがプルースト効果のメカニズムです。

記憶に直結する嗅覚。プルースト効果の正体その3

五感とは?

本だな

言わずと知れた視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚の五種類です。五感は古代ギリシャの哲学者「アリストテレス」が唱えたもので、2000年以上も語り継がれているのですが、現代では実は人間の感覚は20種類以上にも分類されています。といっても、一般的に使うには五感だけで充分事足ります。

匂いが直接脳の大事な部分に直結する、ということは感覚として嗅覚が特殊ということでもあるのです。では嗅覚とその他の感覚は何が違うのでしょうか??

嗅覚の特殊性

食事

嗅覚が「大脳辺縁系」に直接届くのに対して、他の四つの感覚は、全て「視床」と呼ばれる部分に一度運ばれ、その後、初めて脳が情報処理します。嗅覚が特別なのはこのルートの違いです。脳が処理する過程で嗅覚だけが近道してる、というわけですね。

例えばごはんをたべた時、一度噛みしめてから「おいしい!!」となりますよね?この一瞬の差が嗅覚と他の感覚の大きな違いです。嗅覚は記憶と感情をコントロールする部分「大脳辺縁系」に直結しているので、この一瞬がありません。プルースト効果が瞬間的に起きるのももちろんこれが理由です。

まとめ

プルースト効果は、医学的、心理学的にも非常に価値があるので、深く追求していくとかなり難解な現象です。そういった専門的な部分はできる限り、分かりやすく紹介しようと努めてみましたが、いかがだったでしょうか?

筆者も今まで数えきれないほど「プルースト効果」を体感しているので、自分自身のその謎を解くべく奔走させていただきました。ほんの少しでも皆さんの「プルースト効果」の謎解きの役にたてたのなら光栄です。

もし、ふと鼻に入った匂いで何かの映像がフラッシュバックしたのなら…それはもしかしたらあなたにとって、大切な思い出なのかもしれません!?

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