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「お気になさらないでください」は正しい敬語?状況で変わる意味5選!

更新:2019.06.21

「お気になさらないでください」という言葉から、あなたはどんな場面を想像するでしょうか。「お気になさらないでください」という敬語ひとつに、気にしないで、大丈夫、問題ない、構わないでほしい、ご心配なくなどの多くの意味があるんです。活用できるように、詳しい使い方をみていきましょう。

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ビジネスで便利!「お気になさらないでください」の意味5選

そのままの意味|お気になさらず・気にしないで・気に留めないで

仕事をする女性

まずは「お気になさらないでください」そのままの意味です。言葉通りにとると、相手が気にしたり気に留めたりしなくてもよいという意味を表します。追ってご紹介するように、フォローの意味や安心感を与える意味などたくさんの意味を持つ敬語ですが、この場合はそのままです。

例文としては、ビジネスメールで誤ったファイルを送信してしまった場合に「誤ったファイルを送信してしまい、誠に申し訳ございません。正しいファイルを送信させて頂きますので、さきほどのファイルはお気になさらないでください」というように使用します。

まぎらわしい情報を与えてしまった場合や、仕切り直したい情報がある場合に「お気になさらないでください」と伝えて気にしないでほしいという意思を伝えます。「大変失礼致しました」「申し訳ございません」などの謝罪の言葉を添えましょう。

POINT

そのままの意味の例文

誤ったデータをお渡ししてしまい、申し訳ございませんでした。正しいデータを送信させて頂きますので、さきほどのデータはお気になさらないでください。

安心させる意味|大丈夫・問題ないよ

仕事をする男女

大丈夫である、問題ないということを伝える際のより丁寧な表現として「お気になさらないでください」という言葉を使うことができます。相手が物事の進行に不安があるという場合、問題がないか気にしている場合などに安心させる目的で使います。

例文として「その件に関しては問題なく進んでおりますので、お気になさらないでください」というように表現します。この際に気をつけたいのは、「お気になさらないでください」のみだと「あなたには関係ありません」という意味にもとれてしまうことです。たくさんの意味を持つ言葉ゆえのトラブルを招く心配もあります。

意味のとり違いを避けるために「問題はありませんのでお気になさらないでください」というように、どういった状況なので、ということを加えて伝えるのが良いでしょう。

POINT

安心させる意味の例文

おうかがい頂いた件に関しては問題なく進んでおりますので、お気になさらないでください。

フォローする意味|気に病まないで・謝らないで

会話をする男女

トラブルなどで相手が謝罪の意思を伝えてきた場合にも「お気になさらないでください」を使用することができます。ビジネスでの取引先や目上の人からの謝罪の場合、「気にしないでください」という返答は不適当ですよね。フォローの言葉を丁寧にしたものが「お気になさらないでください」です。

明らかに相手側が原因であるトラブルである場合にも、どちらにも原因があるトラブルの場合にも使うことができますが、その際には使い方に注意しましょう。相手側が原因である場合の例文としては「ご連絡頂いた件についてはお気になさらないでください」と表現します。

どちらにも原因があると思われる場合の例文は「こちらこそ、ご迷惑をおかけしてしまい大変申し訳ありませんでした。ご連絡頂いた件についてはお気になさらないでください」というように、こちら側の謝罪を先にしましょう。謝罪の意思を伝え、かつ「気にしないで」という意味の言葉を添えます。


POINT

フォローする意味の例文

ご連絡頂いた件についてはお気になさらないでください。

干渉をかわす意味|いえいえ・ご心配なく

感謝のイメージ

相手が厚意でしてくれることでも、実際は不要な場合があります。それをきっぱり断ってしまうのは、相手の思いやりに失礼になってしまいますよね。失礼のないように干渉をかわす目的で「お気になさらないでください」という言葉を使います。

例えば、電車で席を譲ってもらったけれど次の駅で降りるという場合の返答例は「次で降りますので、お気になさらないでください。ありがとうございます」です。ポイントは「なぜ」お気になさらないでくださいと言っているのかが明確なこと、お礼の言葉を添えていることです。

不要なことなので厚意でしてくれたことを断らなければいけないけれど、心遣いには感謝を伝えたいところですよね。そのため、できれば断る理由を添えたうえで、相手の思いやりに対しての感謝を伝えましょう。

POINT

干渉をかわす意味の例文

次の駅で降りますので、お気になさらないでください。ありがとうございます。

断る意味|結構です・構わないでください

メールをする男性

思いやりでしてくれることを断らなければならない場合と少し似ていますが、「結構です」「構わないでください」という意味で「お気になさらないでください」という言葉を使うこともあります。

断る意味で使用する例文としては、メールのやりとりを終わらせる際に「お返事はお気になさらないでください」というように最後に加えて使用します。自身が多忙で返信ができないという場合などにも「返信不要です」「返信は結構です」という言い方をしてしまうときつい印象になり、角が立ってしまいます。

「お返事はお気になさらないでください」という伝え方であれば、相手が返信を書く労力を使わないよう気遣っていることが伝わり、やりとりを自然に終わらせることができます。メールでのやり取りは表情や声音が伝わらない分、いっそう丁寧に行う必要があります。スムーズなやりとりのために活用してみてくださいね。

POINT

断る意味の例文

お返事はお気になさらないでください。

「お気になさらないでください」を目上に使うときの注意点

目上に使う際は「お気になさらないでください」をさらに丁寧に

良い関係性のイメージ

「お気になさらないでください」という表現も失礼にはなりませんが、目上に使う際はさらに丁寧に使うのが望ましいです。「どうぞお気遣いなさらないようお願い申し上げます」というように、「どうぞ」と「お願い申し上げます」を組み合わせることでより丁寧な表現をすることができます。


口頭での敬語の場合は「お気になさらないでください」でもOK

口頭でのやり取り

目上の方に対する言い換え方をご紹介しましたが、「お気になさらないでください」でも良い場合があります。それは、メールなどの文章ではなく口頭で「お気になさらないでください」という意思を伝える場合です。

訪問先などでお茶を出してもらった際に「どうぞお気遣いなさらないようお願い申し上げます」と口頭で言うのは、あまりに形式ばっていて不自然に感じてしまいます。「お気になさらないでください。ありがとうございます」というように変えて、あまりかしこまりすぎないことも大切です。

臨機応変に対応する必要があるため、目上の人に対する言葉遣いは悩みの種になりがちです。こちらの記事も参考にして、目上の人への伝え方の感覚をつかんでみてくださいね。

「お気になさらないでください」と言われたときの返答

「ありがとうございます」

感謝の気持ちのイメージ

言われたときのシチュエーションや文脈にもよりますが、「お気になさらないでください」という言葉への返答としてもっともふさわしいと思われるのは「ありがとうございます」というお礼の言葉です。

「気にしないでください」「大丈夫ですよ」「問題ないですよ」「謝らなくても大丈夫ですよ」と言われたら「ありがとうございます」と返したいですよね。このような意味で「お気になさらないでください」と言われていると感じる場合は「ありがとうございます」という返答が良いでしょう。

「おかげさまで肩の荷が下りました」

リラックスしている女性

間違いなく「気にしないで」「大丈夫ですよ」「問題ないですよ」といった意味で「お気になさらないでください」と言われている場合には「おかげさまで肩の荷が下りました」という言葉を付け加えるのも良いでしょう。相手が気遣ってくれた言葉をしっかり受け止めることになります。

使用するときは「ありがとうございます。おかげさまで肩の荷が下りました」「おかげさまで肩の荷が下り、ほっとしました。誠にありがとうございます」というように、感謝の言葉を添えるのが良いでしょう。

「お気になさらないでください」は返答が不要という場合も

悩んでいる女性

言葉の持つ意味合いが多いだけに難しいところですが、「お気になさらないでください」の言葉自体が返答を拒否している意味にもとれます。「返信不要です」ということを「返信はお気になさらないでください」と言い換える例からもそれが感じられますよね。

返答が不要という意味での「お気になさらないでください」に無理に返事をしようとすると、互いにどうしたらいいかわからなくなってしまうこともあります。相手がどのような意図で「お気になさらないでください」と使用しているのかをじっくり考えてみましょう。

「お気になさらないでください」の類語と使い方

「お構いなく」

フランクなやりとりのイメージ

「お構いなく」にも「私に構わないでください」「私のことは気にしないでください」という意味があります。ですが「お構いなく」を使用する際には気をつけたい点があります。「お構いなく」をメールなどの文面で使用することはあまり好ましくないということです。

「お構いなく」という表現は省略されている部分が多く、文章が完全になっていないことから、目上の人に対して使うのはNGです。失礼な態度に見られてしまいます。完全な文章にしようとすると「どうかお構いなさいませんようお願い申し上げます」とかなり不自然でくどくなるため、この表現自体を避けましょう。

目上の人でないという場合も、「お構いなく」とだけ文面で見た時の印象を考えてみましょう。なんとなく素っ気なくて突き放した印象を受けます。「お構いなく」は口頭で使用し、文面では避けるのが無難です。

POINT

「お構いなく」の例文

口頭で「お構いなく、先にお召し上がりください」

「お気持ちだけ頂戴します」

笑顔の女性

「お気になさらないでください」の中でも「ご心配なく」や「結構です」の意味合いを伝える際に使用できる言葉です。「気持ち」を「頂戴」するということは相手の気持ちを受け取ることですが、「だけ」を添えることで、実際にしてくれることは断るということになりますよね。

相手が厚意でしてくれることなどを断る際に、「あなたのお気遣いは嬉しいです」ということを伝えて、やわらかい言い回しで伝えることができます。「お気持ちだけありがたくお受けいたします」などに言い換えることもできます。

実際に使用するときには「せっかくのお話ですが、お気持ちだけありがたく頂戴いたします」というように、相手の厚意を尊重するように組み合わせて使用すると良いでしょう。

POINT

「お気持ちだけ頂戴します」の例文

せっかくのお話ですが、お気持ちだけありがたく頂戴いたします。

「お気遣いなさらないでください」

仕事をする女性

「お気遣いなさらないでください」という表現は、「お気になさらないでください」とほぼ同様の意味をカバーすることができます。「気にしないでください」の丁寧な表現と「気を遣わないでください」の丁寧な表現なため、意味合いはほぼ同じです。

使用例も「お気になさらないでください」とほぼ同じと考えて良いでしょう。「どうぞお気遣いなさいませんようお願い申し上げます」というように、「どうぞ」や「お願い申し上げます」をプラスすることでより丁寧な印象にすることができます。

POINT

「お気遣いなさらないでください」の例文

どうぞお気遣いなさいませんようお願い申し上げます。

「お気に留められませんよう」

メールを打つ女性

「お気になさらないでください」の少しかしこまった言い方が「お気に留められませんよう」という表現です。このままでは文章が完成していないため、「お気に留められませんようお願い申し上げます」などと組み合わせて使います。

「お気に留められませんよう」という表現は、前述の通り少しかしこまった表現方法です。そのため、文面では丁寧な印象を与えられますが、口頭で「お気に留められませんようお願い申し上げます」と伝えるのは少しかたすぎるともいえます。メールなどの文章で使用するのが良いでしょう。

POINT

「お気に留められませんよう」の例文

こちらこそ確認が遅れ申し訳ございません。お気に留められませんようお願い申し上げます。

「ご放念ください」

メールを作成する男性

「お気になさらないでください」をさらにかしこまった表現にしたのが「ご放念ください」です。「放念」という言葉に「気にしない」という意味合いがあります。そのため「気にしないでください」と同様の意味で使えるということです。「ご放念いただけますでしょうか」というように言い換えて使うのも良いでしょう。

知的で上品な印象を与えてくれる「ご放念ください」という言いまわしですが、場合によっては「放念」の意味が通じないということがあります。丁寧な表現をしても、意味が伝わらなければ元も子もありません。目上の人には良い表現ですが、そうではない場合はあまり多用しない言葉ともいえます。

POINT

「ご放念ください」の例文

状況が変わりましたので、先ほどお伝え致しました件についてはご放念いただけますでしょうか?

意図を明確にして「お気になさらないでください」を活用しよう!

「お気になさらないでください」には、微妙にニュアンスの違うたくさんの意味があります。意味がたくさんあるため使いやすい言葉である反面、伝えたい意図がきちんと伝わらないと、誤解を与えてしまうこともあります。

特にメールなどの文面では、表情や声音からの判断ができないため、誤解が生じてしまいがちです。「ありがとうございます」などの感謝の言葉を添えたり、何に対しての「お気になさらないでください」なのかを明確にするなどして、違った意味にとられてしまわないよう気をつけましょう。

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