INDEX

「貴殿(きでん)」の意味

「貴殿」の意味①:あなた

男性

「貴殿」とは二人称の相手に対する敬語です。もともとは武士が使っていた言葉ですが、男性が、立場が対等か目上の男性に対して使われます。日本語に二人称を指す言葉はたくさんの種類がありますが、「貴殿」は相手を指す言葉としては、いろんなビジネスシーンに対応できるオールマイティな敬語と言えます。

「貴殿」の意味②:お宅

建物

「殿」とはもともとは貴族の邸宅などを指す言葉です。そのため、相手を敬う気持ちから、「あなた様のご住居」という意味で「貴殿」が使われる場合があります。時代劇や大河ドラマで耳にしたことがあるかも知れません。会話にも、文書でも、メールでも気軽に使えるコンビニエンスな敬語だとも言えます。

「貴殿(きでん)」は敬語として使える?

「貴殿」は敬語として使えます

Amazonで詳細を見る

役所関係の文書では、「殿」は個人宛に良く使われていました。もともとは敬語なのですが、「昔々の領主様が領民に出したおふれのような見下した雰囲気が感じられるから「様」を使おう」としたビジネスマナーが確立したことによるせいか、「様は目上に人宛に」「殿は目下の人宛に」と思っている方は少なくありません。

時代劇や大河ドラマなどで「貴殿は~!」というセリフを聞いたことはありませんか?武士が良く使っていたという戦国の時代背景もありますが、現代人には多少ぞんざいな印象を受けます。敬語=丁寧な言葉と考えた場合は「避けた方が無難」と考えるようになったのかも知れません。

「貴殿(きでん)」の正しい使い方と例文(電話と会話編)

「貴殿」の正しい使い方①

電話

「貴殿からのお問い合わせにつきまして、回答いたします」など、電話で相手が名乗るほどでもない場合に、失礼にならないように会話を繋ぐことができる敬語です。電話や会話であれば「あなた様」「そちら様」「お宅様」など敬称は考えられますが、相手の受け止め方次第では場にそぐわないものになりかねません。

「貴殿」の正しい使い方②

商談

「貴殿の御存じの通りでございます」とは簡潔で、且つ気持ちも伝わりやすい同意の敬語です。相手をたてるという表現だけでなく、こちら側がへりくだって低い姿勢を保つ、お取引様との商談でも相槌などにも、上手く活用できますのでぜひ覚えたい敬語の一文です。

「貴殿」の正しい使い方③

レストラン

「今後の貴殿の御活躍及び貴社のますますのご発展をお祈り申し上げます」どなたか個人のお祝いの会場でのスピーチの例文です。それほど相手と親しくない場合に、多少の遠慮を持って、失礼にならないようお名前でなく「貴殿」を使います。またハレの席ではそれなりの距離をおいた形でのスピーチがTPOにかなっています。

「貴殿(きでん)」の正しい使い方と例文(メール編)

「貴殿」の正しい使い方①

お祝い

「貴殿の御活躍を心よりお祈り申し上げます」はご担当者のお名前を存じ上げない場合に使えます。お祝いを申し上げるのに、くだけすぎないようにしたい場合は、個人に対しては「ご活躍」、会社に対しては「ご発展」の言葉を組み合わせるのが無難です。ビジネスシーンで使う敬語ですので、結びの文として覚えましょう。

「貴殿」の正しい使い方②

会社

「貴殿の履歴書を拝見いたしまして、ぜひ直接お会いしてお話ししたいと存じます」会社の面接にいたる際の返信文です。この場合は名前は分かっていても、複数の方に差し上げる場合は同じひな型の文章を作成します。個人名ではなく「貴殿」にすることで、一斉送信での送信ミスの間違いや失礼を防げますので便利です。

「貴殿」の正しい使い方③

データ

「貴殿の個人データは、貴殿からのお申し出により削除いたしました」近年は個人データの流失などがニュースにのぼります。そういった場合の定型文を、あらかじめ作成することは仕事の効率化につながります。仕事上は1対10や1対1000にもなりますが、相手にとっては1対1のやりとりです。悪い印象は避けられます。

「貴殿(きでん)」を使う時の注意点

「貴殿」を使う時の注意点①性差を意識する

笑顔

「貴殿」とは、男性が男性を呼びかける際に使われる敬語です。「貴殿の御尽力に厚くお礼を申し上げます」と書くと少し堅苦しいですね。現代では女性が「貴殿」を使ってもおかしくありません。「貴殿におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます」といった風に、女性らしい柔らかい印象になるよう注意しましょう。

「貴殿」を使う時の注意点②関係性を確認する

お祝い

「貴殿」は目下の相手に使う言葉ではありません。また男性同士で交わす敬称のため、呼びかける方が女性か男性かに注意する必要があります。また相手が男性か女性かでも「貴殿」と呼びかけたあとの文章に気を使うと、より気持ちが伝わりやすくなります。悩んだ時には回りの方に相談するのがベターです。



「貴殿」を使う時の注意点③殿と様の選択

会社

そもそも文章の内容によって「殿」を取って「貴殿」にするか、「あなた」をとって「あなた様」にするかも重要です。「殿」は「殿さま」に通じる言葉で男性城主のイメージが付いて回ります。相手が女性で、くだけた内容や火急の用事でない場合は「貴殿」を選ぶ必要性がないかも知れません。

「貴殿(きでん)」の類語

「貴殿」の類語①貴兄

「貴兄」と書いて「きけい」と読みます。プライベートで親しい間柄の関係であれば、年下の男性が年上の男性に尊敬の意味を込めて使う言葉です。「同じような意味で「大兄」と書いて「たいけい」という敬語もありますが、「貴兄」を選ぶ方が自然で相手にも伝わりやすいと思います。学会では同輩と目下を「学兄」と呼びます。

「貴殿」の類語②貴台

上司2

「貴台」と書いて「きだい」と読みます。台も邸宅の意味があるように、「貴殿」と同じく相手の個人を指す敬語です。ただし「貴台」の方がより丁寧な印象を受けますので、固い文章なら迷わず「高台」を選ぶのが良いでしょう。相手が男性であったり、担当者の名前も分からない場合はおすすめです。

「貴殿」の類語③貴職

上司

「貴職」と書いて「きしょく」と読みます。「貴殿」や「貴台」が個人を表すのに対して、「貴職」はその字の通り「役職」に対してつける敬語です。自分の属する会社をへりくだって「弊社」と呼び、お取引様の会社に対して「貴社」という敬語を選びます。この「貴社」と同じように使われるのが「貴職」です。

「貴殿(きでん)」と間違いやすい単語

「貴殿」と間違いやすい単語①貴様

「貴様」と書いて「きさま」と読みます。読み仮名を知ったところで納得すると思います。「貴様と俺とは同期の桜」と歌う歌謡曲がありますが、親しい同輩や目下の相手に対して使われるのが「貴様」です。相手をののしる時にも使われます。喧嘩の時につい出てしまうかもしれませんが、もともとはれっきとした敬語です。

「貴殿」と間違いやすい単語②貴公

夕日

「貴公」と書いて「きこう」と読みます。江戸時代の前期から、武士が同輩や目下の相手に対して使われた敬語です。男性が男性に対して現在も使われています。日常的な会話で聞かれることはご年配の方に限られますが、舞台や芝居などのセリフでは良く聞く敬語です。

「貴殿」と間違いやすい単語③貴方

夫婦

「貴方」と書いて「あなた」と読みます。現代ではひらがなで書かれることが多い敬語です。男女どちらに対しても使われますし、呼びかける方も男女どちらでもおかしくありません。現代では口語表現で親しみを込めて使われる場合が多いのですが、奥さんが旦那さんのことを敬意をこめて「あなた」と呼ぶ場合もあります。

「貴殿」の間違いやすい単語あれこれ

女性

女性に対して使われる「貴女(きじょ)」「貴姉(きし)」「貴嬢(きじょう)」という敬語もあります。「貴下(きか)」「貴君(きくん)」といった敬語もありますが、「貴殿」とちがって目下の相手に使う敬語です。そのため日常生活の中で使う機会は少ないと思われます。避けるべき類語の意味を理解すると良いでしょう。

「貴殿」をプライベートに使ってみる

親しい友人とのやりとりに敬語

「貴殿」は時代を感じさせる敬語なだけに豊かな意味合いも持ちますし、あえて使うことで笑いの要素も生まれるかも知れません。自分と友人の所有物を間違えて使用してしまった時「貴殿のお品をありがたく拝借つかまつり候」などと言われたら、二人で目を合わせて笑い出すかも知れません。

家族との真面目な会話に敬語

家族

「貴殿の今後の展望を確認いたしたく存じます」就職活動中や受験に向かう時期に母親から言われたらどう思いますか。家族の心配をひしひしと感じ、(ちゃんと真面目に伝えよう)と真剣な会話につながるきっかけになるかも知れません。親しい間柄でも敬い大切に思う気持ちを伝えるのが、敬語を使う一番の大きな意味です。

言葉は時代とともに変わるのが当たり前!

二人称の相手に対しての敬語はさまざまあります。日本語は悪口の単語が少ないと言われていますが、その分多種多様な敬語があります。時代ごとに会話での言い回しが変わったり、古くから残る言葉や新しく生まれる言葉もあります。言葉はその時代に生きている人々の生活に沿って使われています。

医者同士の紹介状で現在も使われている「御特使」や「御机下」などというのは、特に敬意を表したい「脇付」と呼ばれる敬語です。「自分のようなものが手紙を出すなんて恐れ多いのですが」との意味です。同僚には「尊下」、父母には「膝下」と手紙では左下に書きます。「御中」という会社宛の敬語も、実際は脇付の一種です。

もともとが敬語で会った言葉も使いにくい言葉になりかねません。「実は敬語なのよ」とあるある披露で会話のタネにするのは勉強になると思います。相手を敬うつもりが慇懃無礼にとられたり、失礼にとられたりしかねないのが敬語の難しいところです。女性の場合は、相手に柔らかい印象を持っていただける言葉を選びましょう!

商品やサービスを紹介いたします記事の内容は、必ずしもそれらの効能・効果を保証するものではございません。

商品やサービスのご購入・ご利用に関して、当メディア運営者は一切の責任を負いません。